人の心配をした後、ご心配をお掛けしました

 「なんでこんなに立て続けに大変な上に貯金もなくなるような生活になってんだよ、割にあわないだろ!」という辛い日々から、ようやく脱出しました。
 正確には後半部分は全く脱出していなくて、ただ単に辛かったあれこれが落ち着いただけなので、これから沢山働かないといけません。
 少し休んでからね。俺もねこも、まだ本調子じゃない。
 
 「辛そうな知人を見かけると心配して声をかけちゃうのは、いつか俺が辛くなった時に同じように声をかけてほしいからだぞ。利己的だぞ!」という姿勢で、日々生きています。
 なので大変に辛かった一週間ぐらいは、「おかしいぞ、俺が優しく声をかけていた連中の一部からしか声がかからない。もっと全員、いっぱい俺に優しくしろ!」と思いながら暮らしていました。
 そうしたらね。
 一月ほど前、それはもうすごく大変そうだったので俺が心配してメールを送った人から、「今は多少落ち着きました、その節はありがとうございました。それより一石さん大変そう! 大丈夫ですか!」ってメールが届いて。
 ほっとした。少しは辛さから逃れられたんだなって思って。俺の心配をしてくれるぐらいには、余裕が出来たのかもしれない、とも思った。
 俺も今さえやり過ごせば、同じようにまた他人の心配が出来るぐらいになるかなーって。
 
 おかげでラストスパートうまく行きました。その感謝を書き残したかった。
 もちろん、あれです。そういうイレギュラーでピンポイントな励ましだけじゃなく、いつも皆さんに支えられてるその一言も、本当に救いになりました。
 死ぬかと思った。あぶないあぶない。
 
月は照らすよ 僕らはそっと寄り添ってるよ
それしか出来ないみたいに
君を抱きしめると 僕のほうが君に
抱きしめられているような そんな逆さまの気持ち
かなわなかった夢の跡にも かなえた夢の跡にも
同じしるし 何かが折れた跡
折れた後だよ

滝本晃司/月虹』
 
 折り目がついた紙はその折り目にそって重ねやすくなることもある。
 何かを掴んだり、掴み損なったりしながら、この手には細かいシワが刻まれていく。
 シワが刻まれた指を折り、せめてお互いの手を掴んで、過ごしましょう。
 願わくば憂いが少ない人生を、我々、共に送れるといいですね。