f(ファニー)のゆらぎ

 全く自分の中でもまとまっていないのですが、どうも気になったので一度取り上げてみます。
 人間が心地よいと感じる、音や動作の定期的かつ微小なずれのある間隔を、1/fゆらぎと呼びます。小川のせせらぎや心拍音などがこれに近いようで、同じような規則性を持った声の波長を持っている人もいるそうです。この1/fゆらぎの歌声を持っている人は、俗に「癒される歌声」などと評されることもあるようです。
 僕はこれとはまた全く異質で、似たようなものとして、人を笑わせてしまう独特の動作や声が存在するんじゃないかと思っています。これを仮に、f(ファニー)のゆらぎと呼ぶことにします。


 このf(ファニー)のゆらぎと言うのは、確実に受ける一発ギャグとかそういうのとはまた違って、その人が持つ独特の声質や存在感が、既にちょっと面白かったり、何故かおかしみを増してしまうような状況を指しています。
 また、「声や動作が面白い」と言っても、奇妙に高い声の人や、いつも挙動不審な人とかはまたこれも候補からはずれてしまうのです。
 物凄く表現しづらいことだし、お笑いに関しては特に人の意見が分かれるところなので、これはただ単に僕のお笑いの好みの問題なのかもしれません。だけど、「その人の声や喋り方や独特の動作・間などが、何かしたときの面白さを他の人より飛躍的に上げている」ということは、お笑い界においては結構当たり前のように起きているような気もするのです。
 具体例を挙げると、動作だったら木梨憲武志村けん岡村隆史、BOOMER伊勢、5GAP久保田(ホワイト赤マンの人)とか。このあたりの人々は、例えばコケたときの面白さが普通の芸人さんが1とすると、5にも6にもそれを上げることができているんじゃないかなと思うのです。
 声で言うとアンタッチャブル柴田、ビビる大木、青空球児アントキの猪木どきどきキャンプ岸(24のモノマネの人)。それから噺家さんにも多いような気がします。これらの人は、ボケたときよりツッコミのときや物事を注意するときなどに、当たり前のことを言っているだけなのに面白くするような声を持っている気がするんですよね。トリビアの泉のVTRを見ているときのビビる大木のツッコミなんかがまさにそんな感じがするような。
 具体的に何がどう、と言うことではないんですけれど、天性の芸人声とかお笑いのテンポを持っている人が、世の中には結構いるんじゃないかなと思ったのです。


 そんな感じで、今現在はちっとも理にかなったまとめも出来ず、あくまで僕の気のせいでしかないんですが。
 だけど少なくとも、面白いネタを考えられるかどうかとは別に、お笑い向きの人間って言うのは存在すると思うんです。それは声が聞き取りやすいけどある程度は耳障りだったり、自然と動作をオーバーにできる人であったり。皆さんはどう思いますか?
 いつかその辺のからくりを、もう少し突っ込んで解明していきたいなと思っています。これは先天性だけのものなのか、狙って身につけていくことが出来るものなのか?
 オチもなくいつかに続く。