悪夢症

 思ったことがすぐに夢に出てきてしまうたちで、大体ひどく嫌な夢を見る。僕はこれを悪夢症と呼んでいます。
 基本的に被害妄想で世の中のさまざまなことをネガに受け止めて膨らませてしまうほうなので、その基本方針が夢の中にも受け継がれているのです。
 嫌なこと、思い出したくないこと、なくなってしまったよき日々のこと、ありえない大失敗のこと、変な願望っぽいこと、とにかく目の前に突きつけられると嫌な思いばかりすることを、寝ている間にたっぷりと見ます。寝起き自体はそこそこ良いほうなんですが、寝起きはたいてい嫌な気分です。でもこの悪夢症との付き合いも長いので、まあそこそこに慣れました。
 妄想に取り付かれた精神疾患村崎百郎が、「俺はこの電波を飼いならす方法を手に入れたんだ。電波が死ね! 殺せ! っていつも言うが、うるせえこの野郎って言い返してる」って言っていましたが、それにちょっと似てる気がします。今更大事な人に裏切られたり殺したり殺されたり詰め寄られたりする夢を見ても、それは毎朝のことなので「うるせえ黙ってろ夢」と押し殺すことも出来ます。出来ないこともあるけど。
 で、なんだかこんな感じで現実の中で振り回されている出来事に夢の中でご対面することが多いので、すごく願望充足そのまんまな感じの夢をみることもあります。きっと日常生活の中で、そのことばっかり願っているから夢にそれが現れてしまうんでしょう。
 一晩で、自分がシンジくんでアスカになんか後ろから抱きつかれている夢と(両者プラグスーツ)、自分がシンジくんでカヲルくんと愛を語らう夢(両者学生服)を見たときには、20代を過ぎて自分はこんなんで良いのかと思いました。夢でアニメって。しかも男女ファン両者大喜びな夢を、一晩で立て続けにって。
 しかしこの傾向は30代になっても変わることはない様子で、先日はまたもや夢に鳥居みゆきさんが出てきました。この前もなんか裸で出てきて恥ずかしかったのに、二度目。今度の鳥居さんは公園で落とし穴を掘ってその中でなんかエキセントリックなネタをやっていらして、そこに遭遇して「ファンです!」とか言って握手してもらいました。「うわー綺麗だったなー」とか思いながらその場を去って、その後夢から覚めた。
 どんだけ鳥居みゆき好きなんだ。僕は「夢に出てきたら妙にかわいかったから」という理由であるときから急に広末涼子が好きになったんですが、このまま行くと鳥居さんのことがどこまで好きになってしまうんだろうか、自分でも先行きが見えません。
 鳥居さんが結婚されている年上の一般人男性って言うのが自分なら良いのにと思います。おいおいこりゃ単独妄想紙芝居が危ない方向にタッチ&ゴーしてきたぞ。