ガス死
ガス屋さんから電話がかかってきた。
「あなたガス代を滞納してますから、今週中に払わないと死なせますよ」と言われたので(誇張アリ)、「しまった払ってなかった! 処刑執行されてしまう!」と死に物狂いでコンビニに駆け込むことにした(誇張アリ)。
途中でごはんの買い物も済ませて、ネギ買ったり肉買ったりしてたんですけど、さてガス支払いをしようかと思ったら支払い用紙が無い。
尻ポケに入れていた用紙がない。
手元にはネギとか肉しかない。
そういえばさっきすれ違いざまにぶつかった飄々とした男が「おっとごめんよ!」って言いながらそそくさ逃げて行ったなあ。というような記憶も別に無かったので、ただ単にどこかで落としたな。
やばい、今日中に払わないとガスが止まるどころか死なされる! 事情を話して再発行してもらおうにも、既に夜中だからガス屋に連絡をしてもへんじはないただのしかばねのようにもみえるがうごかないひとみでじっとぼくをみつめている(ホラー)。
あきらめて一度ぐらい死なされる覚悟を決めて帰ろうかと思ったけど、ダメもとで夜の街を歩いてみたら30分ぐらい前に通った歩道で風に揺れて支払い用紙が転がってた。
うわっ、あった!
探せばあるもんだなあ。
誰か優しい人が拾ってそのまま優しさをこじらせて代わりに支払ってくれれば助かったのに。
でもおかげで生きている。