何にもないけど何にもできない一日のあらまし

 仕事を追えて朝5時に床について、コーヒーでまだ冴え気味な脳をなだめつつ、眠ろうと努める。
 昼前には起きて残りの分を片付けて送れば、これで一旦終了だ。そのあとラジオを上げて酒でも飲みながらぼんやりと過ごそう……。
 そんなことを考えながら、ようやくやってきた眠気。そのとき、寝入りばなの「もうここしかない!」と言う絶好のタイミングで、ねこが大声でわめいて眠りの世界から引き戻した。
 そうしたら今度は、昨日食べたアジの南蛮漬けの気持ち悪さで胸焼けと腹痛が襲ってきて、もうすっかり眠れない。
 眠いけど眠れない。仕事をするには眠すぎるし、横になっても時間が過ぎるだけ。そんなこんなでお昼ぐらいに「ああ……この時間に起きるはずだったのに……」と思いながら眠って、3時間ほどで中途半端に覚醒。そのころにはまだおなかいたくて、もう一眠りして体調がようやく落ち着いて……今です。
 アジは恨んでも恨みきれぬが、ねこは構ってやっていないストレスで鳴きっぱなしなので、なんとも怒るに怒れず。少しだけ、全身なでたり一緒に寝たりしてスキンシップした。
 というわけで今日の予定が全部流れた。気を取り直して仕事に取り掛かります。
 
世界中の時計を一時間戻し
あなたはベッドにもぐりこむ
おやすみこわれてしまった一日と
遠くからでも見える人
おやすみこわれてしまった一日と
遠くからでも見える人
友部正人/こわれてしまった一日』