需要と供給とそれ以外の何か

 ダイエットの話をまだ続けます。自分でもよく忘れるんですが、わたしはかつてとあるweb情報誌で、月二回ダイエットの記事を書いていたことがあるんだった。
 そこの編集部には自分以外にもう一人、記事ライターを専門にされているライターさんがいらっしゃいまして、その方には色々と優しくしていただきました。
 他の社員さんたちは、会社の社員さんでありつつ編集部員という立場なのですが(会社は出版社じゃなかったので、編集は専門じゃない)、なんというかわたしに対しては目を感じるのですよ。
 「お前はそこの専門ライターと違って、腰掛のシナリオライターで二級線だろ」という目を。
 直接そういったことを言われたことはなかったので、わたしの被害妄想じゃないかと言われれば何も言い返せないですが。
 あ、違う。インタビュー記事を書いてすごく時間たってからダメだしされたことあったな。「これじゃ載せられない」って。「あなたの記事は使い物にならない」って。結局何が悪いかよくわからなかった。わからないまま直したら載った。
 なんかすごい体育会系な人が上についてたので、「一回ダメだしして出来が悪いと烙印を押す」とかの通過儀礼的なものだったのかもしれない。その人がかつて先輩にやられたひどい仕打ちを、武勇伝みたいに語ってたし。
 そういうのも時には意味があるかもしれないけど、もっと生産的なことをした方がいいと思うよ。
 
 で、ある日。そのweb情報誌の各記事ごとのページビューみたいなのが明らかになったことがあったんですよ。
 そうしたら、自分が担当してるダイエット記事がすごく高いの。その情報誌で一番見られてたの。二位にダブルスコアつける勢いで。
 そりゃそうだよ、だってその企画面白かったもの。書いてる自分も面白い文章書いてるつもりで書いてたけど。「二人の社員を食事療法と運動療法の二種類の方法で実際に痩せさせて対決する」って企画が面白かった。
 でもなんか、一番のページビューを叩き出してたことを褒められもせず、盛り上がりもせず、みんなただただ驚いて、気づけばいつの間にかその企画が終わっちゃって……その会社でわたしが記事を書くことはなくなってしまったのでした。
 面白いことやってても、それが世間に受け入れられても、よくわからないままにそれが消えていってしまうという、よくわからないことは会社の中で起こってるんだなあと思ったものでした。
 ところでおい、卵豆腐が一個カロリー27キロカロリーだってよ。なにこの低カロリー。小腹空いた時はこれ食うことにすればみるみる痩せていくんじゃねえの。よし今日もダイエットだ。