風の谷のナウシカ読了

 今まで未読だったけれど、仕事が一段落したら一気読みしようと思って買っておいた風の谷のナウシカ全七巻、4月からゆっくりと読み進めて本日ついに読み終わりました。
 やはり傑作でした。知名度は高く読んでいる人も多いけれど、映画版に比べると内容を知っている人は少ない作品だと思います。この漫画はもっと国民的作品になってもいいのではないでしょうか。
 久々に感動に震える作品を体感しました。こういう、未読の傑作にまた触れていきたいですね。
 
 元々こういう作品は大好きなんですよ。
 重厚なテーマ、それを展開する為のキャラクターと舞台、無駄のない演出、次々に展開するストーリー、群像劇。
 名を与えられたキャラクター以外の存在も、ちゃんとキャラとして世界に生き、ドラマでの立ち位置があるのも好きです。
 ナウシカやユパやクシャナやアスベルといったキャラと同じように、風の谷の民とか僧会とかマニ族とか蟲使いとかにも、意味と意義がある。
 重要なキャラ以外はただの有象無象として処理される作品がどうにも苦手で、無双系のゲームもいまいちなじめないわたしには、単純なヒーロー嗜好でないこういう作品はたまらないです。宮崎駿作品は総じてモブキャラを大事にしてますよね。
 愚かな存在として登場するキャラについても、ただの愚か者ではなく、そう至る背景が見える。ただの敵役や憎まれ役にならない。一人一人に思考があって、それぞれが必死に考えながらたどり着いた先の『愚か』や『哀れ』や『暴虐』なんだってのが、ちゃんとわかりますね。
 
 作品テーマが今の時勢に丁度あっているというのも、読むタイミングとしてよかったかな。発刊当時読んでも面白かったのは間違いないだろうけど、今読んだことをよしと思える内容でした。
 こういうのを書かないと。