サンドの伊達ちゃんは伊達眼鏡なんだろうか

 駅前の八百屋に行ったら、レジの女の子が日焼けしたTommy february6みたいな子で、少しドキッとした。
 細くて長身で眼鏡の人を見ると男女問わずドキドキしてしまうのは、何かコンプレックスとか自己願望の現われなんだろうか。とか思いつつ伊達眼鏡をかけて生きてみる。
 そういえば、五条さん主催の飲み会に裸眼で参加したときに「僕のたまにかけてるアレは伊達なんですよ」と皆に言ったら、「ええっ? 一石さんは眼鏡の人で、今日はコンタクトとかしてるんだと思ってた!」なんて返されたことがあったなあ。そして何故かムスカの真似をして「似てる!」とかもてはやされた。眼鏡してないのにいつの間にかムスカの真似してる辺り自分でも何をしているのかよくわからない。


 人生において眼鏡かけてる方が比率低いのに、イベントでもそんなに眼鏡かけて参加してるわけでもないのに、僕はどうも眼鏡かけてる人のイメージがあるんだろうな。それはやはり、内部から湧き上がってくるこの眼鏡欲求が何か表面に顕在化しているんだろう。
 伊達眼鏡とか全くかけていない頃にも、よく顔合わせしている人に「今日は眼鏡はかけてないの」とか言われたことがあるし。「今日は」も何もいつもかけてないよ。
 あれか、なんか具現化してるのか、眼鏡が。スタンドか。
 ずっと視力が良いまま生きています。人にはうらやましがられます。高校入学直後のときに視力検査したら両目2.0と言われて、後ろにいた顔も名前も知らないやつに「鬼のような目だ……」とびびられました。
 母がすごく目が良いんですよね。その血をわかりやすく引いているようです。父は目が悪いです。顔は父に似ています。


 書いてて思い出したけど、僕が生まれた直後に母が周りの人たち(親戚とか職場の人とか)に赤子の僕を見せて回ったそうなんだけど、口をそろえてみんな「顔がお父さんに似てよかったね」と言っていたらしい。
 母が見せに行ってるのにみんなどんだけ失礼なんだ。いや面白いけど。確実に面白いけど。
 おかげさまで僕は鼻の高さは父から受け継ぎ(母は鼻が低い)、目の良さは母から受け継ぎ(父は目が悪い)、こうなったら伊達眼鏡をかけるしかないだろうという伊達眼鏡サラブレッドの血族なんです。
 でも本物の伊達眼鏡はもっとすごいんだろうな。伊達眼鏡をかけているある芸人さんは、寝起きに知人が遊びに来たときに「ああ、ちょっと待ってて」と言って寝ぼけた目で真っ先に伊達眼鏡をかけたらしい。「お前眼鏡かけなくても見えるだろう!」って突っ込まれたそうな。
 自宅の枕元に伊達眼鏡を置いてある状況ってのがまず信じられない。だってつまりプライベートでも寝るまで伊達眼鏡かけて生活してるってことでしょ。サラブレッドとして僕もこれからはがんばります。