マイク・ザ・ウィザード

 昨日のタイトルになっている『ロスト・イン・ラマンチャ』ってのは、テリー・ギリアム監督がドン・キホーテの映画を撮影しようとしたんだけど、度重なる事件やら自然災害やらで撮影が全く進まなくなってしまい、その様子を映画にしたドキュメンタリー映画
 今日のタイトルの『マイク・ザ・ウィザード』ってのは、安い予算で素人がコマ撮りSFX映画を撮影して大きな会社に売り込むというような映画で、とにかく貧乏だから撮影場所は自宅のガレージとかだし、小道具もみんなが持ってるものの使いまわし。撮影時の変なテカりとか音とか入っても「いいさ、それも演出だ!」って映画の中に無理やり組み込んでしまおうという、前向きな創作の映画です。


 で、今回の収録も僕としては『マイク・ザ・ウィザード』の精神で挑みたかったんですよ。僕の家の前には新幹線が走ってるし、防音設備も機材もロクに揃ってない。でもマイクと歌い手がいれば録音は出来るし、今回のテーマは男のロックだ! 細かいことは気にしないで、ノイズが入ってるのも荒々しさの一環ということでいいじゃないか! 音楽の本質ってのは何も音質だけにあるもんじゃないだろうしさ!
 やっすいガラガラ声のデモテープでも出来の良いものは作れるさきっと。
 そんな思いがありつつマイクを買ってきて準備を整えるも、録音方法を熟知する前に僕がぶっ倒れて、マグ朗は相変わらずの忙しさ。作曲者のけいすけと歌い手のマグ朗は休みのタイミングがあいにくいので一緒にスタジオ録音とかもなかなか難しい。なんて悩んでいる間にレコーディングスタジオを抑えている時間的猶予もなくなり、その上けいすけは土日が瞳●識のリハでスケジュールぎゅうぎゅう。
 メンバーの多忙と個人的な体の弱さをかんがみて、今回は残念ながら「男のロックだけど女に歌ってもらうことにしねえ?」「ミクですか、初音さんですか」「いやきっとあの子はこの日のために生まれてきたんだと思うよ」みたいな会話があったりなかったり。いや、殆どなかった。僕がけいすけに電話で平身低頭して「ごめん、ミクでどうにかしてくださいーーー」って言いました。


 以上のような経緯をもちまして、今回の男のロックはミク仕様になることになりました。
 当初の予定は果たせないままのKSK名義新作になりましたが、とべないぼうしの描いてくれるミクジャケットはすごくかわいし、けいすけの曲はすげーかっこいいです。
 残念ながら歌詞の方はミクが歌うと持ち味が出きらない感じで、マグに歌わせられなかったのは残念だけど、折角今回名前が挙がってM3カタログにも名前載ってるので、マグ朗にもほんの少し何かやってもらう予定。まだ予定なのかよ、もう一週間切ったぞ!
 でも大丈夫! このリアルタイムドキドキ感も演出のうちさ! と『マイク・ザ・ウィザード』の精神で創作しています。
 マグ朗が歌ったバージョンの真・男のロックもいつか出ることでしょう。みんなとまた会場で会える機会が一回分は約束できたってことで、どうでしょう、手を打ちませんか。何の相談だよコリャ。
 同人楽しいね。