ゆめかうつつか

 たびたび不眠と夢の話で申し訳ないのですが、先日少々不思議な体験をしたのでそのお話を。


 不眠が続いていたのでいいかげんに薬が必要だと思い、土曜の午前中に病院で睡眠薬をもらってきました。
 必要量は、寝る前に一錠。
 飲む前から眠くて眠くてしょうがなかったんですが、最近寝付き自体はいいんです。寝た後の眠りが浅いようで、すぐに起きてしまったり、寝ている間に嫌な夢ばかり見て寝た気がしなかったりするのが辛いんです。そのおかげで一日中眠いんです。
 と言うわけで、睡眠薬を一錠飲んで眠りについたんですが、結果から言うとまたうまく眠ることが出来ず、いまいちすっきりしない嫌な夢を見て目が覚めてしまいました。
 眠いのに。気持ちよく寝つけているのに。なんで眠りがこうも浅いんだろう。うーん。


 そのときに見た夢は、こんな夢でした。
 僕は睡眠薬を飲んで眠ったものの、あまりいい眠りを体験することができず、夢うつつに目が覚めてしまいました。「せっかく睡眠薬処方してもらってきたのになあ」と思っていると、あることに気づきます。ああ、そうだ。この睡眠薬はホントは二錠飲まないといけなかったんだな。一錠しか飲まなかったから効き目が弱かったのか……。いまから起きてもう一錠飲もうかな。いまから飲んでも遅いかー。あーあ、失敗したなあ。せっかく薬もらってきたのに……。
 で、目が覚めた。


 目が覚めて考える。これっておかしくないか?
 うまく眠れないで苦しんでいるのを夢に見ているわけだけれど、それは既に事実として自分に起こっている出来事なわけで、だけど僕はそのとき眠っていたんだから自分の身に起きていることは認識できていないはず。
 夢の中に事実が出てくる。でもその事実に関して僕はまだ認識していない。なぜならその事実は眠っている間に起きたことなんだから。認識していなかった事実と、夢がたまたまリンクしている?
 いや、こんな夢を見たからこそうまく眠れなくなって、夢に対して事実のほうが帳尻を合わせたんだろうか。
 ドラえもんに出てきた、不眠症で眠れないという夢を見ている夢遊病者の話を思い出す。
 どっかで寝ぼけて事実と夢を混同しているだけなのかもしれないけど、アレコレ考えていると、なんだか「事実と夢が混同」と言う言葉自体が認識についての混乱を招く。
 ニワトリが先か卵が先かみたいな感じになってきた。どうやら今夜もうまく眠れなさそうだ。