ねこはあたまがいい

 ねこを飼ってみてわかったことがあります。
 『ねこ踏んじゃった』ってヒドイ歌だなと思ってたけど、実際ねこ飼ってると踏むよね。あいつら音もなく忍び寄っていつの間にか背後で座り込んだりしてるから。何か立ち作業してて振り返って移動しようとすると、「ふにゃ」みたいな。「ああごめん!」「ふにゃ」みたいな。
 昨日は布団の中でぬくぬくしているねこに気づかず、うっかり布団の上に足を載せてしまって「ふにゃ」ってなりました。


 動物病院から借りていた『よいネコ、わるい癖』って本を読み終えました。非常に参考になるいい本でした。おかげでオード・リーの噛み癖が大分納まりました。僕のアゴは一命を取りとめたかもしれません。
 この本の冒頭に、とても素敵な文章が載ってたので、転載します。


 お宅のネコはもう、ちゃんとしつけができている。飼い主のあなたは気づいていないかもしれないが……。その証拠にキャットフードの缶を開ける音を聞いたら必ず飛んでくるはずだ。教えさえすれば、爪とぎ器を使うことも、台所の流し台の上にのってはいけないことも、呼ばれたら行かなければならないことも、ネコはちゃんと覚えてくれる。ただ、ネコは頭がいいので人間にはそう思わせないのである。むしろ、思いどおりにしつけられているのは飼い主の方だろう。いちばん値の張る高級なキャットフードしか食べない。それを朝の四時に飼い主のあなたに用意させる。台所の流し台の上をわがもの顔に歩き回る。あなたが読もうとしていた新聞記事の上に寝そべる。真夜中に寝ているあなたの顔を踏みつけていく。人間の生活に合わせた行儀をネコに教えることはできないという誤解のせいで、どんな悪さをしても、まあ仕方がないか、で通用してしまう。やっぱりネコは頭が良いのだ。


 昔から漠然とねこに対して思っていたことをはっきりと言われた気分です。あのかわいい連中は、色々わかってるのにやらない。それでいてそのことについて叱り付けると「なんで!??」みたいな顔をするあたりが、まだまだ脳みそちっちゃいと思う。
 でもその微妙におばかさんなところとかも、計算してやってると思う。その方がかわいいからやってるんだろ、どうせ。こんにゃろうめ(なでなで)。