ネガティブシンキング

 死亡フラグがだいぶ市民権を得てますけど、個人的にはもっと生存フラグがブームになってもいいと思います。
・このままでは、やられる……!→やられない
・ダメだ、この傷ではもう助からない→助かる
・この技を喰らって立ち上がったやつはいままでいないぜ→立ち上がる
・こんなところに助けが来るとでも思っているのか?→来る
・冥土の土産に教えてやろう→情報だけ聞いて返り討ち
・この勝負悪くて相討ち、良くてもどちらかが死ぬ!→誰も死なない
・そんなことをしたら、もう二度と腕が使い物にならなくなるぞ→使える
・この高さから落ちたんじゃ、助かりはすまい→近日再登場


 シャーロック・ホームズの宿敵であるモリアーティ教授は、滝から落ちるとかして最期を迎えたと聞いたことがあります。
 その後再登場したかは知らないんですが、もし再登場していたとしたら、生存フラグを使った大物の第一号だったりするんですかね。


 大体前向きなセリフを言うと死亡フラグ、ネガティブなことを言うと生存フラグにつながる気がしますね。
 特に死亡フラグは具体的だとなお良い感じ。
「俺、この戦争が終わったら田舎に帰って店を開くんだ。母ちゃんから教わったバターたっぷりのオムレツに、山盛りのフライドポテトをつけてさ。近所の貧乏家族どもにたらふく食わせてやるんだ。そうだ、店の真ん中にはステージを作ろう。そこで毎晩音楽好きが集まって一曲やらかすのさ。誰も集まらなきゃ俺がギターをかきならす。いや、俺だって弾けないけど、帰ったらすぐに練習するよ。こう見えても俺、何でも器用にこなすんだぜ? へっ、でも残念だな、片腕でギターを弾く練習をするのは大変だよなあ……」
 とか。適当に例を書いていたら、この人フラグ立てながら今まさにまっすぐデスルートに向かってるな。恐らく腕ごと持って行かれてるな。前向きなセリフを冗長に語るとロクなもんじゃないぜ。
 だから、無事に生き延びるためには、みんなもネガティブシンキングをフル活用して、サバイバルを続けよう。
 ああ、きっと僕はこのまま職を失ったまま新たな仕事にもありつけず、借金を重ねてさびしく道端でのたれ死ぬんだ……→バリバリ働ける。


 ネガティブに対してポジティブな期待をするというのも、向こうは向こうでそんな扱いに慣れてないから困ると思う。