十日前の熊本旅行・3


 母の実家でとれたしいたけ。でかすぎるにも程がある。


 母の実家から父の実家はすぐ近く。車で20分かからないぐらい。この日は朝から父の実家に行くことになった。川崎から来た叔父と大阪から来た叔母は、何か別の用事でこちらも朝から車でお出かけしていた。
 父の実家に着いて、あれこれ挨拶して写真撮影とかして、積もる話でも始めようかとしたその時。別の用事で出かけていた叔父と叔母のコンビから電話が。
「車が変なところに突っ込んだから、迎えに来て車を引っ張り上げてくれないか」
 と言うわけで、急遽叔父と叔母の救助に向かうことに。父の実家はねこだらけのねこ屋敷なので、ねこと戯れるのを楽しみにしていたのだけれど残念ながらその時間は奪われる形に。母がっかり。自分も心残り。なんかね、30匹ぐらい飼ってるらしいよ。短い話の間にも10匹ぐらい出入してたもんな……。
 父の実家のすぐ近くのお墓で墓参りを済ませて、急いで現場に直行。足が不自由な叔母が心配だ!
 ところが「どうにかなったからもう来なくても良い」と現場に到着する寸前で電話があり、こちらの車の行き先が宙に浮いた。あららどうしようなんだか急いで出てきたけどやることなくなっちゃったぞ。
 仕方ないから近くの温泉に向かった。スーパー銭湯みたいなところだけどね。
 温泉の駐車場にもっふもふのねこがいたので、父実家でねこをいじれなかった腹いせにもふる。気持ちいい。

 ひなびた温泉で体をあっためて、タンカン黒酢とか飲みながらのんびりしていたら、目の前を場違いなモデルっぽい美女が歩いていったのでビビる。
 しかしこちとら、素敵な出会いとしてはもっと欲しているものがあるのだ。アゴが多少よくなってきてお腹も治ってきたから、食べたいものが沢山ある! 色気より食い気。
 と言うわけで車をちょいと走らせていただいて、その温泉の近くにある蕎麦屋に行ってみた。明神池のとなりで商売している明神そば。湧水で蕎麦を打っているそうだ。こんな感じのところのおそば屋さんだよ。
 僕は地鶏と土地のネギで作ったつけ汁でいただく温そばを食べ、母とかは麦とろを食いました。うまかったです。
 食べたものの写真はないけど、食べ終わったあとにちょいと覗いた、明神池の群塚神社の写真はあるよ。

 お参りしてきたけど神社の鈴が錆びついてて振っても音がしない。寂れた中にすっと立っている一本の御神木。でかい。

 ちょっと離れたところに分け入ると、暗い野原に土俵があった。

 重機も放置してあるが、はてここは開拓するのだろうか。ほとんど誰も入り込むようには見えない場所だったのだけれど。土俵も神事のためにしか使わないように見えた。
 帰宅後、夕食では朝採ったしいたけを焼き、裏の畑から抜いてきたばかりの大根をおろしてぶっかけて食べた。うまい!
 アゴはちっとも完治していないので噛み締めると痛いんだけど、それでもむっしゃむしゃ食べる。食べる。