日曜午後は訪問者

 昼ごろ、『男子ごはん』を見ながらブランチっぽく朝スパを茹でて食べようとしていたところ、インターホンが鳴った。
 話を聞くと、NTTで光回線がどうのこうの。「なんだよまたこの前のあれかよ」と思って、面倒なので玄関のドア越しに少し会話。玄関ドアのすぐ横に台所があるので、そこでスパ茹でてソース作りながら。
 「今手が離せないんですよ」と、あながち間違っちゃいないことを言って話を終わらせ、退散させる。
 スパゲティはおいしく出来上がりました。


 夕方ごろ、二食目を食い終えたころにまたインターホンが鳴る。昼に来たNTTのあの人だ。「手が離せないということでしたので、改めてお伺いしたのですが……」改めて来なくても良かったのに!
 わたしは先日のNTTの強引な契約以降や工事日設定について腹に据えかねていたので、もう光回線導入はきっぱりと拒否することにしたのだ。だから詳しい話を聞くまでもない。
 でも、今日やって来たこの人は、この前いつの間にか契約を結ぼうとしていた人とは違う人だったので、この人に当たっても仕方がないのだ。ということで、先日こういう人が来て話をしていろいろチラシとかももらってるから、もう聞きたいことはないですよと伝えて、帰ってもらうことにした。
 ところが我が家のインターホン、どうもぶっ壊れてしまっているようで、向こうの声は聞こえるのにこっちの声が向こうに届かない仕様なのです。相手の声はインターホンごしに聞こえてるけど、向こうは家の中から聞こえるこっちの生声を無理やり聞き取って返事をしている状態。
 この状況じゃ話にならないので、仕方なしに玄関ドアを開けて少し話した。
 直接会って話してみると、相手はちょっと美人めのお姉さんだった。ドアを開けたら家の中に風がびゅうびゅう吹き込んで来た。
「このマンションに光が導入されるのどうのって話は、この前NTTから来た別の人に聞きましたよ」
「その、以前に来た勧誘と言うのはいつごろ来られましたか?」
「先週ぐらいですね。つい数日前にキャンペーンの詳細のチラシも持ってきました。これです」
「……これは代理店さんかもしれないですね。ウチの人間ではなさそうです」
「あれ、そーなんですか。おかしいなあ」
「最近代理店がらみのトラブルが多いんですよね。サービスの以降手続きもスムーズに行かないことが多いし」
「あ、あんまり玄関ドア開けすぎないでください。ねこが出ちゃうんです」
「わかりましたすみません。じゃあ、失礼ですが玄関に上がらせていただきますね」
 お姉さんぐいぐい玄関に入ってきた。ドアをぱたん。
 あんた外が寒かったから家に入りたかったんだろう。


 そんな感じで、きったない家できったなく過ごしていたところに入ってこられて恥ずかしいやら、誰がNTTの手のものなのか良くわからなくて混乱するやら。
 お姉さんからもらった名刺はNTT名義だけど、販売受託会社とか書かれてNTTとは別の会社の名前が書いてあるし。
 そしてお姉さんの脚にやたらとよじ登ろうとするねこ。
 「人懐っこいんですね」とか言われてたけど、多分女の子が珍しくて親近感がわくのだと思う。おーど・りーは猫娘だもんな。
 で、改めてごっちゃりとサービス概要をあれこれ説明されてチラシをもらったんだけど、これどうしよう。明日の夜までに決めないといけないんだけど。さまざまなサービスを上乗せしてしまうと明らかに得をするっぽいことはわかったが、ちょこまかプランを変更するのは面倒くさくて嫌なんだよな。
 はあどうしたものやら。