この豚野郎

 部屋でビールを一杯。とべないぼうしと、本当にどうでもいい話。やがて日は暮れていく。
 もう少し飲みたいし、食事的なものもおなかに入れたかったので、家を出て横浜辺りに繰り出してみることにしました。
 その際Twitterで「誰か混ざりたい奴がいれば電話でもしなさいよバカ」と誘い受け満点な一言を書きなぐったら、家から駅に向かう最中にすぐに電話がかかってきた。
 電話の相手は同人音楽業界の鬼畜眼鏡でした。
 ピアノ屋ダグさんです。
 ピアノ屋ダグさんの鬼畜の所業ぶりは過去の日記で振り返ってください


 というわけで、この才能と熱意に溢れたおっさんに、絶望と怠惰を煮こごりにしたようなおっさんが連れられて、行った場所がなんか豚肉酒屋。
 うめーの。チャーシューと豚の舌と尻尾食ったけど、うめーの。
 是非とも胃やら足やらモツ煮込みやら、他の部位もまた食べに行きたいお店でした。ありがとうございました。
 そしてダグさんと、お互いのキャラ方向がかぶってるから相性悪いよねとか、常にホスト心で周囲を楽しませないと気が済まないとか、収録時の環境作りの大切さとか、そういう話をしたような気がします。
 ダグさんとはそんなに親しいわけでもなくて、でもわたしはその才能を常に視界の端や脳の片隅にロックオンしていて、何かうまく絡んで良いものが作れないだろうかと狙っているのです。そういう人からこういう機会で、面白い創作話や、言えない楽屋落ちや、精力的な活動の話をたくさん聞けて、非常に有意義でいい集まりでした。
 メシ代おごってくれたので、これぐらい褒めておけば充分だよね?
 オフレコの話を聞いて弱みを握ることに成功したので、「これをインターネッツにバラ撒かれたくなければ我と酌み交わせ」と脅す形で、次の機会をまたいつか設けようと思います。ごちそうさまでした。


 その後、とべないぼうしがまだ話したい次の店行こうよと言うので、今日は終電までに帰るつもりだったんだけど、急遽ぼうしと二人で新たな店に。ダグさんサヨウナラ。
 ぼうしが「ここにしよう!」と決めたのが沖縄料理屋。
「豚を食う店に行った後に沖縄料理か?」
「いいのいいの。すみませーん、ラフテー沖縄そば!」
「おいお前、さっきの豚屋で三人前の豚をほとんど食ったのは誰だと思ってる」
 わたしといえばオリオンビールを飲み干すことも出来ない始末のおなか一杯。オリオンビールの唄をたそがれて歌い、朝まで過ごしました。「ぼーくらは、うーずのなかー。野原ーがーぼくをー、呼ぶ声ーがー。月夜にー響いーてーるー」
 途中でオリオンビールの唄を歌うのも飽きてきたから、二人で新たな企画について語ったりもした。


 家に帰って寝て起きて、起きるちょっと前に地震があったことを知って、おなかの具合と相談しつつ一食目を食べて。
 オロヌキ大根という余りなじみのない大根を、とりあえず刻んでみて納豆とあえて、ゆでた中華麺に絡めてずずるー。肉と酒にやられた胃には丁度いいな。
 二食目は、卵丼にエノキと豆腐の味噌汁を添えました。卵丼が予想外にうますぎる出来栄えになったので、結婚しようかと思った。自分と。一石楠耳は俺の嫁
 水溶き片栗声を卵液に混ぜるというズルの仕方は、恐らく卵とじ関係のメシ(親子丼、カツ丼、豚たま丼など)全般で大成功を招くとみた。各方面の嫁さんは一度お試しあれ。