あなたに会うのは二度目です

あなたに会うのは二度目です
手と手がちぎれて僕の向こうの
空気を見つめる瞳にゾクゾクして
微笑んで離れて二度目です
 
あれから一人で街を満たし
主に動悸とため息で部屋を満たし
満たされないものには拾い集めた
落ちていた時間を押し込んで
 
体が自分に嘘をつく
本音が建前を言うのです
「大丈夫、大丈夫、ぜんぜん大丈夫」
あなたが言っていたのと同じことなのに
 
たった一度のあなたと
あなたとあなた あなたも
僕の服装を頭から見てください
どうですかこんなにホラたいしたことないでしょう
それが一度目のあなたとの話です
 
僕はそのときの服装も
空が雨か曇りかも
あなたの唇の動きさえ
憶えているんです
憶えているんですよ
 
あなたに会うのは二度目です
手と手がちぎれていたけれど
今のあなたのその手はどうしたですか
あの日のちぎれた手なんですか
新たな手をあてがっているのですか
その目は僕を見つめていますか
僕はゾクゾクしていますか 動悸はありますか
 
あなたと離れるのは二度目です