アリアンロッド2Eセッションレポ・『誰が為にヒヒイロカネはある』 キャラクター編

 先日遊んできたTRPGセッションレポートを書いてみようと思います。
 遊んだゲームシステムは、アリアンロッド2E。いわゆるよくあるファンタジー世界観に、銃とか錬金術とか混ぜてみつつ、敵を倒すとドロップ品っていう扱いでアイテムを落とす(要は金と経験値が得られるってアレです)という、どっちかっていうとコンピューターRPGっぽいノリのルールです。
 世界観が緩めでアイデアを詰め込みやすいのと、ゲームシステムの完成度を気に入っていて、わたしが最近富みに好きなTRPGシステム。
 しかしGM経験は2Eになってから一回だけで(基本ルールに載っている初期シナリオを二連続でやった)、自作シナリオは初挑戦。
 大好きなダンジョンシナリオをやろうと思い立ったものの、ダンジョンシナリオとか作るのだって久しぶりですよ。
 というわけでGMとしては戦々恐々としていたわけです。アリアン好きだけど、戦闘のバランス取るのすごく面倒だし。だからずっとGMを避けてプレイヤーをやってきたわけだしブツブツ(以下飲みながら愚痴が続く)。
 それでも遊びたかったのは、PCが魅力的だったからです。前回の1セッション(シナリオは2本)でキャラ立ちしたPCたちにもう一度冒険をしていただきたかったので、今回のセッションを行う運びとなったのであります。
 では、どんなPCたちだったかというと、なんとこれが6人もいるんだ。以下ご紹介。
 
●エンヤ(シーフ/ニンジャ)15歳男
 メインクラスはシーフ、サポートクラスはニンジャ。サルトビ一族の修行を終えて、現在貿易商人に化けて初任務の情報収集に励んでいるという、激しく忍者な男の子。
 獣人(狼人)との混血なので足が早く、ニンジャのスキルを使うと空を飛んで更に足が早くなるという、とにかくめっちゃ早い。急いで敵陣に突っ込んで行ってワイドアタックで集団攻撃をかますのが役目。でもダメージが低くてたまにノーダメになるのはご愛嬌。
 自分が忍者の一族であることは隠し通しておきたいんだけど、仲間からすると「ああニンジャだろ?(ゲームのクラス的な方の)」という認識で、「いやそうじゃなくて設定的な方の……いやいやその話を他人においそれとするわけには……いやだけど……」と一人思い悩む少年です。
 
●サカムビット(メイジ/アコライト)24歳男
 このメンバーで結成されたギルド、『レッドアラート』のギルドマスター(いわゆるパーティーのリーダー格)。
 メイジ職で魔法で集団攻撃もできるし援護支援もできるし、アコライト職では回復もできるしという、ドラクエで言うところの賢者的ポジションのオールラウンダー。
 しかしこの人の本領発揮は能力よりもパーソナリティの方。名前を聞いて一部の人は恐れおののくとは思いますが、名前も設定も元ネタはあの高名なサカムビット公なのですよ。
 領地にある鉱山がじきに資源枯渇になると踏んだ彼は、そこを改造して迷宮探検競技的なことをやって観光資源にしたいんだって。その研究のためにダンジョンに潜って「なるほど、このトラップは興味深い」とか言うという、ね? 変な人でしょ?
 でもなんだかんだでギルド内では常識人なので、この人がギルドマスターを務めているのは正しいのです。常識知らずの困った奴(後述)がいるから。
 
●エリカ(アコライト/ガンスリンガー)18歳女
 「お前ら名前かぶらせるんじゃねーぞややこしいからな」というGMの事前命令をガン無視してエンヤと名前をかぶせてしまった女ガンスリ。シナリオ途中からリカちゃんに呼称が変わった。
 アコライトなので回復はおまかせだし、プロテクション飛ばしてとにかく受けるダメージを減らしまくる。その上付かず離れず両手の銃でガンガン行くわよな人なので、この人も割りとオールラウンダー。
 育ての親が学者だったおかげで少々学問知識があって……みたいな設定がついていたので、その辺を今回シナリオで利用させていただいた形になりました。
 後はまあ、キャラ的にもプレイヤー的にも「困ってる人はほっとけない」な所があるので、いろいろ助けてもらいましたですよ。うふふ。
 
●スティラ(メイジ/セージ)17歳女
 魔法使いでありつつ、賢者でもありつつ、そして異種族ですよエルフですよ。
 攻撃をすれば異常な命中率でほぼ確実にブチ当ててくるしダメージもでかい、一殺キャラ。敵のデータを即座に見破る看破能力もやたらと高い。出てきた敵の情報が、一度に全員分、防御力まで全部お見通し。
 そんな知的能力まっしぐらであるにもかかわらず、前回シナリオで「ごはんおいしそう」と発したところから食いしん坊キャラが定着。敵と戦うのに必要な錬金術の粉を自分の体にかけてしまったためにキラキラ輝く女エルフと化してしまい、うっかりキャラ属性も追加。
 GMの悪ノリ優先で何かとキャラを盛られてしまった感のあるキャラだったのですが、彼女は今回さらにひどいしうちを受けることになったのです。
 
●リ=ユイスン(ウォーリア/モンク)15歳女
 今気づいたけどこのキャラの身長設定142センチだって、ちいさい!
 東方のそれっぽい師匠のもとで育てられたので、それっぽい名前とそれっぽい技術をもっているものの、実際はアジア系ではないらしい。でも小さい。
 アリアン2Eを遊んだ方ならよくご存知でありましょう、ガチ組み戦闘キャラの筆頭になるウォーリア/モンクの組み合わせキャラ。モンクのスキルで武道家的能力を発揮。ダメージダイスを増やしまくって、相手の防御力を無視した攻撃をぶちかますぜ! という。戦闘能力的にはGM泣かせな人です。強い。
 前回のセッションでニンジャのエンヤ君が忍者らしさを隠そうとするたびに「おやおや? ニンジャがどうかしましたか??」とか首を突っ込んで遊んでいたので、その方向で今回も頑張ってもらうことになりました。
 まあセッション内でGM的に彼女を取り上げるのはその程度でいいんだよね。どうせ戦闘に入ると有無をいわさず大 活 躍 す る ん だ か ら。
 
●サン(ウォーリア/ウォーリア)15歳男
 戦士全開、メインクラスもサポートクラスも同じウォーリアウォーリアですよ。
 野山を駆け回り動物と親しくしていた野生児の少年だが、旅人と出会い冒険者としての技術を教わり、里を後にする……ってそれウォーリアウォーリアってよりハンターハンターじゃねとか、サンってよりゴンじゃねって思うんだけど。でもこのPCのプレイヤーさんはハンタ知らないっぽいです。
 キャラクター性およびプレイヤー性がかみ合って、ほっとくと勝手に依頼を受けたり勝手に先に進んだり勝手に拾った肉を食ったりして、主人公的ポジションに収まりがちな子です。
 拾った肉を誰にも相談せずに食う→ギルドマスターのサカムビットに怒られる→だってお腹空いてたしHPも回復したかったしいいじゃん!→売った場合の単価とかも考えろよギルドの資産の一つだぞ→そ、そういう社会常識的なことはまだ僕はよくわからないんだ……(凹む)→肉おいしそう……(食いしん坊エルフ)。
 とかまあ、そういう感じに関係性のね、第一歩を踏み出すキャラですね。
 お肉大好き、最近は野菜の魅力にも目覚めたんだそうです。そういうどうでも良い設定、わたしは拾う方のGMだからな。
 ああそういや能力的な話を何もしてなかったな。両手剣で敵をぶっ殺す仕事の人です。挑発スキルプロボックを覚えたので、使いたくてウズウズしているご様子。
 
 長くなりましたが、PC紹介は以上。
 さてこんな彼らに向けて作られたシナリオがどんなものになったのかといいますと。こんな感じになりました。
 今回予告とかハンドアウトとか作ったこと殆ど無いんだけど、GMもあれこれ考えて作ってみましたよ。
 
<今回予告>
自らの領地にある鉱山をダンジョンに改造し、観光資源にしようと考えているサカムビット。
そんな彼と、彼がギルドマスターを務めるギルドに、「良い話がある」と現れたのは……。
ディケンスナイクと名乗る、ダンジョンマスターの老人だった。
なんとその老人は、サカムビットに対し、新たなダンジョン企画のプレゼンをしにきたのである。
 
一方その頃、エンヤの元に一族からの伝令が訪れる。
「お前に調査をさせていたヒヒイロカネについて、近々有力な情報が得られそうだ。明日にでも新たな指令が下るだろう。いいか、たとえ仲間を裏切ることになろうとも、ヒヒイロカネを手に入れるんだ」
 
また一方その頃、スティラはお風呂に入りまくっていた。
 
アリアンロッド2E『誰がためにヒヒイロカネはある』
思惑渦巻くダンジョンが君を待つ。
 
ハンドアウト
PC1:エンヤ
コネクション:因幡  関係:取引
貿易商人の姿をとって君が調査を進めていた希少金属ヒヒイロカネ
それの有力情報をつかんだと報告に来たのは、東方の商人だった。
彼を通じて聞かされる、サルトビ一族の掟。この初任務を、君は無事成功させたいと願っている。
 
PC2:サカムビット
コネクション:ディケンスナイク  関係:取引
変わり者である君の噂は、変わり者の老人のもとに届いた。
ダンジョンマスターを名乗るその老人は、「自分の作ったダンジョンをぜひ体験してもらい、気に入ったならばその技術を買い取って欲しい」と提案してきた。
胡散臭い相手だとは思いつつも、その提案に君は非常に強い興味を抱いている。
 
PC3:エリカ
コネクション:アスラン  関係:友人
君は神殿にて神託を受けた。
「あなたの友人があなたの力のみにしか頼ることのできない時が訪れるでしょう。あなたはそれを救ってあげるのです。それこそが神の御心にかなう道です」
その言葉に従い、君は仲間のスティラを助けようとしている。王立図書館の友人・アスランの協力を得て、日夜文献に目を通している。こんなとき、育ての親が学者であったことを君は感謝するのだ。
 
PC4:スティラ
コネクション:ユルルングル  関係:貸し
先の戦い以降、困ったことがひとつある。君の身体に振り掛けた例の粉が、体から抜け切らないのだ。
特にこれといった効果はないものの、その粉は未だに君の体をキラキラと淡く輝かせている。
加工を手伝った錬金術師のユルルングルも少なからず責任を感じ、元に戻る方法を共に探っているのだが。
 
PC5:リ=ユイスン
コネクション:エンヤ  関係:疑惑
同じギルドの仲間であるエンヤの様子がどうもおかしい気がする。
いや、別にいつも通りな気もする。
バレバレのニンジャっぷりを必死に隠し通そうとしているだけな気もする。
そのあたりの真相はよくわからないものの、とりあえず君はただ単に「面白そうだから」という理由で、今日もエンヤに疑惑の言葉をぶつけて、その反応を見て楽しんでいる。
 
PC6:サン
コネクション:ディケンスナイク  関係:自由(当日決定)
君はサカムビットと共に、ディケンスナイクという胡散臭い老人の話を聞いた。
彼とサカムビットの取引の内容はよくわからなかったが、腕試しに面白いダンジョンに挑戦させてくれるというなら、こちらとしては願ったり叶ったりだ。
ちょうど新しく覚えたスキルで誰かを挑発してみたかったところだ!
 
 シナリオ開始前にプレイヤーに送った予告は↑な感じでした。
 キャラ設定から引っ張ってきた基本軸は3つ。エンヤが貿易商人に化けて行なっていた情報収集と、サカムビットのダンジョン設計構想、エリカの育ての親&神に仕えるものであるという立場。
 それに前回セッションで各自が勝手にプラスした設定を加味した感じ。
 スティラの体のキラキラはGMが完全に悪ノリで継続させたわけですが、まあ気にしないでくださいよ。他のPCもどうせ似たような目に会いますから!(以下続く)