アリアンロッド2Eセッションレポ・『誰が為にヒヒイロカネはある』 オープニング&アタック開始編

 シナリオ開始しまして、オープニングシーン。
 サカムビットのもとにはダンジョンマスターを名乗る老人・ディケンスナイク(こんな人です→http://d.hatena.ne.jp/isikusu/20101224/1293161889)が現れ、「わたしの技術とアイデアを買って欲しい」と売り込みを開始します。
 なんだか方法はよくわからないものの、『作り手の理想や挑戦者のスペックに合わせて、ダンジョンをカスタマイズする方法』というものを彼は持っているらしい。詳しくはダンジョンアタックして体験してくださいな、と。同行者の少年・サンは横で超乗り気。サカムビットもまあまあ乗り気。
 一方エンヤのもとには東方の商人である因幡が現れて、街の市場でこっそり接触をはかってくる。
 「お前に探させていたヒヒイロカネの場所が近日中にわかりそうだぞ」と情報を与え、更に「お前最近ギルドに入ったらしいが、依頼の件は依頼主や我々のような関係者以外には絶対に漏らすなよ。おまえの信頼できる仲間にも話はしてはならん」と釘を刺される。
 プレッシャーに胸を抑えながら因幡と離れたエンヤに早速食いつくリ=ユイスン。「なんかあったの表情が暗いよ?」「いや、その、なんでもないよ……?」「ニンジャ……?」「えっ(ビクッ)」「いえいえ、ただの独り言(ニヤニヤ)」
 そして王国図書館であれこれ調べ物をしているリカとスティラ。「所持者の思うがままに姿を変え、願いを形とする力を持った鉱物・ヒヒイロカネというものが存在するらしい」なんてことが書かれた文献を発見します。錬金術師のドワーフに「ヒヒイロカネなんぞ胡散臭い眉唾もんの伝説じゃ!」とか言われつつ。
 
 かくして三種のオープニングを終え、改めてディケンスナイクの用意したダンジョンに挑戦ということで集まった、ギルドメンバー6人。
 くだんのダンジョン入り口でディケンスナイクは、このダンジョンの特徴やアタック条件について説明をはじめます。
1.このダンジョンの広間には五つの扉があり、その先には通路と部屋が一つずつある。通路には仕掛けが、部屋にはエネミーが用意されている。
2.すべての部屋を突破することで大広間に通じる最後の扉が開き、そこでクライマックスバトルが開始される。
3.このダンジョンアタックには時間制限がある。リアル時間で18:30になったら問答無用でクライマックスバトルに。19:30までにクライマックスバトルが終わらなかった場合はミッション失敗となる。
 
 そこまで話してディケンスナイクはダンジョンの別室に移動、たまに話しかけたりしつつもPCを監視する形に(ナイナイの矢部さんとかがいつもいるあのポジションです。ジグソウポジションと言い換えても可)。
 話を聞いてPCが広間に行くと、そこには『軍勢の間』『復讐の間』『傀儡の間』『逆上の間』『制約の間』の五つの部屋の扉と、奇妙な東方の商人の姿が。
「よう。俺はここで商売をやってる、因幡ってもんだ。ダンジョンアタックで必要になったものがあれば売ってもいいぜ。あと、あの厄介なダンジョンマスターの野郎があえて言わなかった情報も持ってる。どうだ、買わないか?」
 因幡がいることで一人ぎょっとしてビクビクしているエンヤ以外のPCはその話に食いつきます。
 リ=ユイスンの折れない心の根強い値切りでもって、情報料を半額に下げて、情報ゲット。それにより、『このダンジョンでは敵味方ともにとどめが刺せないこと』『扉を開けると強制トラップで面倒な事になるのは制約の間と復讐の間』というふたつの話を聞くことが出来ました。
 で、その情報を元にギルドがわいわいと相談している間に、こっそり因幡がエンヤに耳打ち。「ここにヒヒイロカネがある。なんとしても手に入れろ」「……えええー……ここにー……?」胃の痛くなっていくエンヤの運命やいかに?
 
<軍勢の間>
 それはそれとして最初に行く先を『軍勢の間』に定めた一行。通路に入った途端、床が崩れてみんな落とし穴に落ちます。というか、通路が一気に崩れて無くなってしまい、扉の目前にしか足場がない状態に。
 這い上がって扉の前に行かないといけないんだけど、それには崩れて登りにくい壁を登って行かないといけない。エンヤの忍術やサカムビットの魔法で飛ぶこともできたんだけど、「俺が行くよ!」と名乗りを上げたサンにロープを渡し、とりあえず彼に登って行ってもらうことにします。
 もちろんこういうのはお手の物のサン君、あっさりとよじ登るわけですが……。扉の前にたどり着いた彼だけが、そこにある不思議な装置に気づきます。
 
 謎の文字盤に書かれた、数字の3。そして、絵が添えられた4つのレバー。描かれた絵はそれぞれ、梯子、宝箱、肉、野菜。
 そこまで話を聞いてプレイヤー諸氏狼狽。「一番行かせちゃいけないやつを行かせたんじゃないか?」「誰も止める奴がいないな」「俺、これ好きにしていいんだよね?(サンのプレイヤー)」
 PC発言も状況に合わせて、皆さん『よくわかってる熟練のプレイヤー発言』に変わります。
 「おーいサン、そっちはどうなってる?」「う、うん……。ロープの用意は少し待っててくれる? 俺、やることがあるから!」「まあ俺たちはそっちがどうなってるかはよくわからないからなあ(棒)」そして迷わず彼は言う「ゲームマスター、肉の絵が描いてあるレバーを引きます!」
 かくして出てきたのは、肉。これがなんとレバーを引くたびに何本でも肉が出てくる。「おお……おおお……!」
 ちなみに文字盤の数字はひとつ減り、2になりました。そんなことはお構いなしにとりあえずレバーを引くだけ引いて肉を食いまくるサン。「おーいどうしたー?」「おおおおお……!」(以下長くなるので割愛)
 
 その後ロープでみんなが引き上げられ、事情を聞いた上で相談。宝箱のレバーを引くと、数字が1に減って宝箱が一個出てきます。これは一個だけ。
 そして宝箱を開けてみるとそこでトラップ発動! 場にいるものの全員が幸運判定をして、一番低かった奴が戦闘不能に陥るトラップのデス・ルーレットだ! わはは死にはしないまでもHP1でぶっ倒れて、早速ここでHP回復のリソースを吐くがいい!
 というGMの思惑があったんですが、「肉食えばいいんじゃね」という至極当たり前の発言によって、リソースも何も奪えませんでした。体力全快まで肉を食わされたリカちゃんが胸焼けしたってことぐらい。「あたしさっき死にかけたところなんだけど、何本肉食えばいいの……うっぷ」
 文字盤の数字は残っているものの、用心深いサカムビットはレバーを引くのを警戒し、部屋に入ってエネミーを片付けたあとで、野菜のレバーを引いたのでした。
 はい、野菜がいくらでも出てきますよ?「野菜もうまい!!」(サン)
 ちなみに梯子のレバーを引くと、すごく中途半端なところまで梯子が降りてきて、もう一度梯子を伸ばさないと落とし穴から登る役には立たない(つまり数字を2回分消費する)という腹の立つ仕掛けにしてあったんですが、そちらのレバーを引く展開にはならなかったので、ただの肉野菜供給マシーンになりましたね、ここは。
 
 さて改めて部屋の中に入ると、そこには大量のゴブリンのモブ共が。その数20&リーダー1。
 そして部屋の脇には光り輝く鏃が用意されています。ここでディケンスナイクから、最後のルール説明。
 各部屋にはエネミーと共にこの『緋色の鏃』というアイテムが存在しており、これをPCが入手した時点で、部屋を突破したとみなされます。エネミーを倒して悠々と持ち帰ってもよし。戦闘を回避して『緋色の鏃』だけ入手してもよし。ただし鏃を手に入れて戦闘が終了した場合、倒していないエネミーのドロップ品は手に入りません。
 なおこの鏃は、クライマックスバトルでラスボスとの勝負を有利にする効果があります(ダメージアップorダメージ軽減or回数制限スキル復活)。果たしてラストバトルまでに君たちは5本全部を入手できるかな? という仕掛け。
 
 それにあたってかなり面倒くさいのが、このゴブリンども。ザコの集まりのくせに、数が多ければ多いほど命中とダメージにボーナスが付く能力を持っているので、そこだけ取って見ればボスレベルの攻撃力。HPは低いので、とっとと集団攻撃で殲滅して数を減らしたい。
 しかしゴブリンリーダーに集団をまとめて戦闘不能から回復するスキルを与えているので、これもまた面倒臭い。戦闘不能の間にとどめを刺すことは禁じられていると、既に情報を得ているし。
 まずはリーダーを潰したい。しかしリーダーは離れた場所にいるので一部の魔法しか届かない。どうしよう、うーんうーん……。
 プレイヤーの悩み及び、敵の数が多いのでGMの処理が長引くというアナログな問題も発生し、ここでかかった時間は2時間近く。各部屋を1〜1.5時間程度で攻略しないとクライマックスまでに間に合わない計算なので、これは痛いタイムロスでした。ゴブリンに勝ちはしたけどね!
 GMとしては計算通りの時間稼ぎです。
 ゴブリン倒した後に肉と野菜で即全快にされたのは微妙に計算外だったけどな。
 なおこのレバーは『軍勢の間』を終えたらもう引けないので、いまのうちにサンは持てるだけの肉を持って帰ったとさ。
 
 ネクストターンは、制約の間。