オンリーコンに行けなくてもいい 身内で自主的にオンリーコン

 日曜はTORGを遊びに板橋まで行って来ました。
 前日夜まで仕事終わるかどうかよく分からなくて、しかも場所も遠いしでどうしようかと思ったんだけど、結果としては行って大正解。いいセッションでした。
 覚えてる範囲でセッションレポ。思いのほか長くなりましたので、どうでもいい派の人はどうぞ読み飛ばしで。
 
 TORGは世界観がごった煮のTRPG。地球にいろんな世界の連中が一気に攻めてきたぞ、よーし全員手をとりあって、あっちこっちの悪いやつと戦おう! 的な設定のゲームです。
 我々のキャラクターがやってきたのは、原始世界と化してしまったニューヨーク。
 トカゲ人間と恐竜が歩きまわる旧メトロポリタン美術館の前で、金髪のねーちゃんがハリツケにされて変な儀式に捧げられそうだぞ! という導入。
 GMは「では各自、キャラ紹介を兼ねつつ好きに登場してください」というノーガード戦法。プレイヤー4人はさて誰が出るかと悩むかと思いきや、「なら俺から行きます」と迷わず名乗り出た男が一人。
 キャデラックをトカゲ人間どもに横付けし、中から現れたのはエルビス・プレスリーと見紛うロカビリースタイルなロック☆スター。ジェイル・ハウンド(変身名マスク・ザ・メンフィス)だ!
 ナイル帝国のアメコミヒーローである彼は、炎をまとわせ武器にもなるマイ・マイクと、自慢のリーゼントを引っさげて、トカゲ人間たちに喧嘩を売りにやってきたのだ。
 
 そこで改めて顔を付き合わせるプレイヤーたち。「おい一発目にすげー濃いキャラが出てきたぞ。登場シーンのハードル上がったけどどうするよ?」の探り合いがある中、「じゃあわたしはそのキャデラックの運転席で高々とゲップをします」と運転手ポジションに名乗りを上げて楽をすることに決めたのは、何を隠そうこのわたしだ。
 名前はジョン・カー。今まさに儀式をしているトカゲ人間と同じ種族でありながら、地球の文化(主にケンタッキー・フライドチキン)に魅せられて、アメリカナイズしてしまったでっぷり巨漢のトカゲアメリカ人。
 ちなみに先ほど登場したエルヴィスのそっくりさんのアメコミ・ヒーローを演じている彼は、プレイヤーが「ルックスもイケメンだ」なイケメン男子であったので、美形好きな一石さんの心の中の腐った部分がキュンと反応して相棒に名乗りを上げたというのは内緒だ。それと一石さんの心の中に腐ってない部分は無いことも内緒だ。
 だって彼、レイヤーさんだってことでTRPGコスの名刺とかくれたんだけど、それがもう! 流し目っぷりがもう! セクシーさがもう! コスしてない普通の当人は爽やかイケメンだし。一石さんの腐った部分がキュンと反応して(そのくだりはもうやりました)。
 
 そんなタイバニ並に危険なバディ(キャラじゃなくてプレイヤー的に)から距離を離し、かつてビルであった巨石の上に陣取るは、ニッポンテックの財閥の総帥、久我正一。
 更にはサイバー教皇領の裏切り者であるところの元サイバー十字軍兵士・アドルフが、スナイパーとしてトカゲ共を岩陰からロックオン。
 そんな風に各自状況は違えど、対トカゲの陣を敷いた我々。キャラ紹介が自分とイケメン以外雑なのは気にすんな。
 
 その後、久我総帥が翼竜に追われて一人ジュラシック・パークになったり、ゴジラ級の巨大恐竜が現れたものの「そういうヤツの扱いは慣れてるぜ」と自PCのジョン・カーが見事に操って窮地を切り抜けたり。なんだかんだで金髪美女を助け出して、我々の最初の仕事は無事成功に終わった。
 助け出したあとで分かったんだけど、この金髪美女はアメリカ合衆国大統領の娘さんだった。
 「久我総帥が大統領関係から救出の依頼を受けて、我々をチームとして集めたってことにしましょう」とチーム結成秘話をその場ででっち上げて、次のシーンへ。
 
 次のシーンはアメリカの新たな首都・ヒューストンにて、我々を招いての大々的な歓迎会と言うかレセプションと言うか。
 「トカゲ人間にさらわれた大統領の娘が帰ってきたぞ、みんな喜べ!」と世界中に報道してみんなで気持ちよくなろうという、一大イベントに我らが招かれてしまったシーンです。助けた側にも、太ったトカゲ人間混ざってますけどね。
 ということで各自またもやキャラを立てつつ、レッドカーペットを歩いてみたり。この辺りから財閥の総帥である久我さんが大爆発。外交手腕と10億のポケットマネーを駆使して、あちこちで敵側の策謀を潰しにかかります。
 表舞台を避けて裏を探りにかかったアドルフの活躍で、このパーティーには地球を侵略してきた各世界の、いろんな連中の思惑が渦巻いていることもわかり。で、それを次々に久我総帥が潰していくわけです。さすがは陰謀と裏切りの横行する世界のお二人、こういうのはお手の物。
 
 その頃、例のバディは何をしていたかというと。現代のエルヴィスことジェイルは、パーティーに来ていたレディー・ガガと親しくなり。ジョン・カーはテレビに向かってフライドチキン好きをアピールして、ケンタにスポンサーになってもらおうと頑張っていた。こいつら何やってんだ。
 ちなみに彼らのこの行動は、後ほど意外に意味を持つことになるので覚えておきましょう。
 
 さて、渦巻く陰謀は金と嘘の力で秘密裏に久我総帥がねじ伏せてくれていたので、こちらは安心してパーティーを楽しんでいたわけですが。
 しびれを切らしたナイル帝国のマッドサイエンティスト、ウー・ハンが部下に命令。テロリストになりきって現地で暴れて、そのスキにあれやこれやを強引に遂行してやろう……と動くものの、そこは荒事の専門家であるアドルフの本領発揮。10人のテロリストを一瞬にして神に会わせます(ぶっ殺すの湾曲表現)。
 その騒動でパニックになりかけたお客様たちについては、我らが久我総帥が嘘に嘘で塗り固めたマイクアナウンスで説得し、何の問題もなく外に逃がしてしまいました。
 と、ここで予想外の事態が発生。ウー・ハンがパンダ外交的に連れてきていて、いざとなったらこいつに暴れさせて状況をうやむやにさせてしまうのもアリかな……? と思ってコンテナに突っ込んでおいたキングコングが、何故か檻を破って逃走!
 冒頭のシーンで捕まっていた、大統領の娘をひっつかんで、新生ホワイトハウスエンパイア・ステート・ビルよろしく登って行ってしまいます。
 
 なんでこんなことが起きたかというと、裏で動いて情報を集めていたアドルフが、ウー・ハンの持ってきていたあやしい積荷(中から寝息が聞こえていて、隣にある箱にはバナナが詰まってる、巨大な積荷。ゴリラ臭い)のカギを開けて中も見ずに戻ってきたからなのだが……その話はここで語られるべきことではない(具体的に言うとプレイ後のガストで「なんで鍵だけ開けて戻ってきたの!?」と総ツッコミを受けていた)。
 
 状況が大きく動いたことで、各勢力は一斉に行動を開始する。
 久我総帥に搦め手で追いやられたニッポンのエージェントは、ニンジャを使って総帥の首をはねようと動く。社会的に首をはねるのは無理なので、もう物理的に首を飛ばしたい。
 サイバー教皇領の裏切り者ポジションであるアドルフは、「今なら煉獄に軽く落とすぐらいでおまえの十字軍復帰を認めてやってもいいぞ」と笑顔で語るサイバー異端審問官に、じりじり詰め寄られ。
 アメリカン・ヒーローの血が流れるジェイルはもちろん、キングコングに捕らわれた大統領の娘を救いに向かう。となればそのキャデラックの運転席にいるのは、当然相棒のトカゲ人であるジョン・カーですよ。ああちなみに、このキャデラックは変形して空も飛びます。コングを追って空中戦だ!
 かくして最後の戦闘が始まるわけですが、早速サイバー異端審問官の野郎が全力でアドルフをサイバー磔刑にかけやがって、行動不能に陥らせました。
 それを破るために動いたのが久我総帥。サイバー教会の厄介な連中を全員トリックにかけて行動不能に陥らせ、忍び寄ってきたニンジャも返す刀で、同じくトリックの罠に。
 無力化したサイバー異端審問官は、アドルフの魂の説得にやられて「あなたが正しい世界の導き手だ!」と、改宗騒ぎが起きるレベルでの心変わりをしています。
 
 一方その頃キングコング組。デブトカゲ人のジョン・カーが「実は俺は、原始世界と地球の文化の両方に精通しているのを買われて、元々このコングの調教師をやってたんだ。このコングは本当はいいやつなんだぜ?」と、プレイヤー本人も予想だにしていなかった過去をカミングアウト。俗に言うでっち上げです。
 「だってほら、最初のシーンで俺が、暴れる巨大恐竜を制御してたじゃないか。あれが調教師の伏線だったんだよww」とプレイヤーも都合が良すぎて吹き出すこじつけを披露して、コングと仲が良かった設定をとりつけます。
「俺もお前も大好きだったフライドチキンに、今では興味を示さないだなんて、お前は誰かに操られてるんじゃないのか?」←フライドチキンを投げて気を引くトリックに失敗して、それを理由付けに使用。言ったもん勝ち
 
 さてお膳立ては整ったので、あとはコングを正気に戻してあげればいいだけです。しかし残念ながら相手は言葉が通じない動物。そこで「今こそロックの出番だぜ」と満を持して登場するは、エルヴィスの再来・ジェイル。
 ラブ・ミー・テンダーをコングに向かって歌いあげるジェイル・ハウンド。コーラスするのは、さっき仲良くなったレディー・ガガ。この熱い展開とガガ様の力の前にはコングも正気に戻らざるを得ません。
 「状況がぐちゃぐちゃになったけど、せめてコングを倒して名を上げるアル!」と飛行船で意気揚々と戦場に現れた騒動の張本人、ウー・ハンに向かって……。
 ホワイトハウスのてっぺんのなんか尖ったところをコングがもぎってぶん投げ、命中。落ちていく飛行船。
 「そういうことであのコングは悪いやつではなく、悪いのは全てウー・ハンだったってことで一つ」と久我総帥が説得アナウンスをかまし、この大騒動のレセプションは幕を閉じたのでした。
 
 その後、ジョン・カーには無事にケンタッキー・フライドチキンのスポンサーがつき、「これで俺たちの腹が膨れるほどにチキンが食い放題だぜ?」と、コングと仲良くジャングルに帰って行きましたとさ。
 メタボを気にしなければめでたしめでたし。
 
 記憶だよりなのと、レポをある程度の長さにまとめるために、いくつもの名シーンを削っていますが、概ねこんな感じでした。
 ご一緒させていただいたGMさんとPLさん、ありがとうございました。とても楽しかったです。
 レポの流れとノリでイケメン属性ばっかり取り立てててごめんなさいだけど、みんないい人で楽しかったんですって。良ければまた是非ご一緒しましょう。
 これを読んで心を掴まれた貴重なあなたも、良ければTORGを遊びましょう。いい仲間がつながっていいセッションになるのはいいことだ。
 こうしてわたしのTORGオンリーコンは無事一ヶ月遅れで開催されたのでした。スタッフと仲良くなっておくとオンリーコンに行けなくてもTORGが遊べる! すばらしい!
 もちろんオンリーコンに行けば普通にTORGが遊べます。みんな行くといいよ。ルルブ持ってなくても怖くないよ。
http://www.venus.dti.ne.jp/~hibiki/torg_conv/