ホラ吹きギリアムの悪意なき……

 ロスト・イン・ラ・マンチャを観ました。
 テリー・ギリアムドン・キホーテの映画を撮影しようとしたんだけど、どうにもこうにも問題が次々に巻き起こって、撮影が中止にならざるを得なくなった。その顛末を映画にした作品。
 作中何度も引き合いに出されるバロンと、撮影に入る前に言っていた「最高だ! 大傑作になるぞ」の言葉が悲哀たっぷりだった。
 DVD特典で撮影予定だった絵コンテが入ってるんだけど、もう悲しくて見てらんない。笑っちゃうんだけども。
 終始明るく朗らかなギリアムが、エンド近くで見せる顔と声は、ロビン・ウィリアムスみたいでしたよ。
 
 自分が知人と制作しているゲームに本腰入れるために観たんですよねこれ。
 いやー、プロジェクトが頓挫する様子なんてここまでつぶさに見れることはないので、とても心を揺さぶられました。
 他人のプロジェクトが頓挫する様子はな! つぶさに見たことはないけどな! 自分の関わるやつでは何度も見てますよそりゃあ!
 「これに比べりゃ何が起きてもなんとかなりそうだな」と思える映画でした。
 次はマイク・ザ・ウィザードを見返す予定。自主制作の心意気を取り戻させてくれるとてもいい作品です。心の一本。
 
 ギリアムのドン・キホーテについて改めて調べてみると、ウィキペディアに「新キャストで再度映画化に挑戦することをテリー・ギリアムが表明している。2011年公開予定としていたが、撮影が遅れている」とか書いてあって、切なくなりますね。