シノビガミ某公式シナリオプレイ記録

 サークルの定例会で、シノビガミを遊んできました。
 そのセッションの面白かったところをいくつか思い出せる範囲で書き留めておく試み。シノビガミがわからない人には右も左も分からないと思いますが、好きな人は暇つぶしにどうぞ。
 まずは集まったニンジャリスト。最後の5人目が自分のキャラ。
 
●虚木誠一郎(うつろぎ・せいいちろう)
 鞍馬神流、30歳男性。
 くたびれた私立探偵風。だがシナリオの舞台とチームを組んだ仲間たちのせいで、その設定が表に出ることは少なかった。
 「なんか今回変なのしかいねえな」と察したプレイヤーがカウンターとして用意した、マトモ枠。
 その甲斐あって、キャラを喰い合って共倒れになる流れに組み込まれずにすんだという。

●切り裂きJOKER
 斜歯忍軍、20代後半? 男?
 仮面をかぶった通り魔。常に「クーックックックック〜」と笑っていて、コミュニケーションがほとんど取れない。
 でも信念は『和』。

●萩野月風(はぎの・げつふう)
 隠忍の血統、65歳男性。
 菓子店の名誉顧問であり、あらゆる忍法を萩の月で行う、仙台銘菓を世に広めんと送り込まれた刺客。どこから送り込まれた。
 魔界転生三越に行くのが好き。

●クック
 ハグレモノ、26歳男性。
 ハワイアン忍者。南国のそよ風を吹かせる、ウクレレを弾くなどの方法で、「今日はもう働かなくていいや」と言う気にさせて逆凪に送る恐ろしい男。
 奥義は『キラウエア火山大噴火』。実際にキラウエアが噴火して、火山弾が世界中どこにでも飛んでくるんだそうだ。

●小深窓ロス(こぶけ・まどろす)
 比良坂機関、19歳男性。
 憂国の文学青年忍者。お国のために鍛え上げた流麗な手裏剣術で、常に携帯している中原中也の詩集をぶん投げる。
 奥義は、無数の詩篇が集まり具現化された「強き日本の象徴」たる屈強な日本男児があらゆる攻撃を防ぐ、『憂国無罪』。
 
窓ロス「というわけで僕は今日の病弱な文学青年キャラで皆さんから琴線ポイントをいただくために、一週間前から具合を悪くしてキャラ立てを仕上げて来ましたのでどうぞよろしく。セッション中に咳き込んだら、それはロールプレイですごほごほ」
みんな「大丈夫かこの人」
 
切り裂き「キャラクター名は切り裂きJOKER、表の顔は通り魔です」
みんな「おいちょっと待て」
切り裂き「そして常に、クーックックック〜と笑っています。クーックックック〜」
クック「では次、わたしのキャラクター名はクック」
みんな「被ってる!?」
クック「いつも腰ミノ一つで活動しています。表の顔は警察官」
みんな「おいちょっと待て」
 
クック「この通り魔と感情を結ぶことにしよう。でもどうやってコミュニケーションを取ったら……」
切り裂き「クーックックック〜」
クック「わ……わたしの名前をこんなに呼んでくれている! なかよくなれそうだ!」
みんな「なんなんだよあのクック同盟は」
※その後秘密が明らかになると本当に同盟関係だったんだけど、一切の示し合わせもなくただ単に被ったそうです
 
萩野「魔界転生を使用。シーン表は8」
GM「喧騒、人混みですね」
萩野「ではその昔、このシナリオのボスとテナント争いをしていた頃の三越のデパ地下を舞台にしましょう」
●2サイクル目
萩野「魔界転生を使用。シーン表は5」
GM「世界の終わりのような暗黒。暗闇の中、お前たちは密やかに囁く」
萩野「閉店間際の三越ですね」
魔界転生
萩野「……ということが昔、三越であったのじゃ」
窓ロス(あの人、感情結ぶのも秘密探るのも全部三越でやってるな……)
 
窓ロス「おじいちゃんはいっぱい魔界転生を使ってくれて生命力が足りないでしょうから、僕から兵糧丸をさし上げましょう」
萩野「では演出として萩の月をあげましょう」
窓ロス「おかしい、データ的には僕が食べ物をあげたはずなのに、なんで僕が萩の月を食っているんだ!?」
萩野「あなたの兵糧丸とワシの萩の月を忍法ですり替えときました」
窓ロス「くそうふざけるな! 次の僕のシーンであなたに殴りかかるから覚悟しておけよ!(戦闘を起こして魔界転生を使わせる出来レース完成)」
 
窓ロス「切り裂きJOKER、お国のためにあなたには消えていただく! スペシャルで攻撃成功! ダメージは、ウワア6点」
切り裂き「生命力スロットが全部埋まった! というわけで埋火をどうぞ」
窓ロス「ぎゃあ2点ダメージ!」
萩野「見てたら同士討ちしてワシが勝った」
 
虚木「クライマックス前に君と感情を結ぶことにしよう」
窓ロス「いいでしょう、では今のあなたとの気持ちを、この詩集のこれから開くページで決めることにしますね(ペラペラッ)。
『みなさん今夜は静かです
 薬罐の音がしてゐます
 僕は女を想つてる
 僕には女がないのです』
この非常時に女のことしか考えてない!」
虚木「このチーム女っ気無いもんね……。あ、ダイス目1、共感で感情結んだ」
窓ロス「こちらもダイス目1。共感……」
 
窓ロス「クックはこのゲーム慣れてないし、こっから逆転の目を狙うなら、みんなの秘密を全部握ってるあのおじいちゃんに擦り寄ってどうにか立ちまわるしか無いんじゃね」
クック「仕方ない……そうしましょう! ではお話があります、オギノさん」
萩野「ハギノです」
クック「しまった千載一遇のチャンスが!」
 
GM「下忍が割り込んできました。戦闘が開始されます」
虚木「下手に戦闘が長引いてダメージを負っても損だから、自分から脱落しましょう」
切り裂き「じゃあ仕方ない、こっちも脱落」
GM「戦場には下忍だけが残った。中忍二人を退けて下忍が一人勝ち……?」
 
クック「わたしの秘密を知ったのですね……そう、わたしのバックにはアメリカがいるのです! アメリカ50番目の州ハワイを背負って私はやってきた!」
みんな「やべえ、よりによってあのアメリカ万歳男(プレイヤーのこと)があんなハンドアウトをもらってるとは」
窓ロス「くっ……! 一週間前から体を壊してキャラ立てを万全にしてきたと思ったのに、あいつ、今までの人生をかけてキャラ立てしてやがる」
 
窓ロス「この僕の攻撃をかわしたければ、6ゾロを振っていただきましょうか」
クック「駄目だ、無理だー」
切り裂き「窓ロスは遁甲符余ってたよね。それでもう一回振り直させようぜ。どうせ6ゾロなんて出ないって」
窓ロス「いいでしょう、アメリカごときでは偉大な日本にかなわないと心底知らしめてやりましょう。もう一度チャンスをあげます、振り給え! なおせっかくだから回想シーンとかやってもいいよ」
クック「では秘密をオープンして回想シーン! クックはキラウエア火山の噴火が起きた際、その麓から火を伴って生まれてきた赤子だったのだ」
窓ロス「それハンドアウト関係なしにお前の出生の秘密の回想シーンじゃねえか! てかお前は孫悟空か!」
クック「うわあ振り直したらファンブルだあ!」
 
虚木「では決着を付けるとしよう、窓ロス。貴様の絶対防御、見切った!」
窓ロス「ふっ、そんなこともあろうかと僕には最後の遁甲符があるのです。あなたの見切り判定を振り直させ……しまったさっきハワイアン忍者に無駄に使ってしまったあ(棒)。敗けたあー」
切り裂き「クーックックックック」
クック「ジャパニーズニンジャよ、その奢りがお前の敗因だ」
虚木「勝った!」
萩野「お前ら楽しそうだな」 ←とっくにプライズ持って使命果たして脱落
 
 なおわたしは実際に中也の詩集を持ってプレイに臨み、ことあるごとに詩を朗読したりして大層面倒臭かったという。
 いいキャラだ、気に入った!(あーあ)