入院して退院して施設に入って

 前に書いてた日記が、「いつ何が起きたのか」を後で医者と話して振り返る時に役に立ったので、まとめとこう。
 自分が何時頃どんなふうに参ってたのかも、客観視出来たほうが役に立つ。
 
 一ヶ月ぐらい前に父が入院しました。
 きっかけとしては、家にある介護用ベッドから落ちて体を痛め、その数日後に往診の先生が家に来て、「あちこちだいぶ悪くなってるので入院しましょう」と診断されたこと。
 入院後は、腎臓病のせいも心臓病のせいも糖尿病のせいも加齢のせいも運動不足のせいもアルツハイマー痴呆からくる鬱のせいもあり、立ったり座ったりするのも難しいレベルでした。
 
 このまま家に帰っても、これは要介護で誰かがついていなきゃいけない状態になるなと母と話して、病院の介護職員さんの提案もあり、退院後は何らかの施設に入ることを検討。
 介護レベルがいくつ以上じゃないと入所の申請がおりないとか、その法律が今年から変わったので申請のタイミングが変わってどうこうとか、特別養護老人ホームは入所費用がそもそも高いのでどうしようとか、うちの父は心臓病で一級障害者なのでその補助も受けられるんじゃないかとか。
 いろいろ調べたり、施設を見学したりして、ここ最近バタバタとしていました。
 
 バタバタしている間は、色々大変でしたね。
 父がどれぐらいの容態でいつ退院出来るのか、施設に入るとしてどういう形で入るのか、入所前の面談などはいつ行われてわたしがいつ付き添わないといけないのか。
 そういうのの予定が全然立たないもので、仕事の予定も立たず、一時期毎日「明日まで締め切りを延ばしてください、明日になれば取り掛かれますので」みたいなことを言って頭を下げてた。
 病院内の情報伝達がうまく行ってないみたいで、休みをとって話を聞きに行っても「担当の者がいません」と言われて、3日ほど空振りを味わうなどしました。
 
 たまたま仕事が多めにあったものだから、謝りの連絡を入れる先も4つぐらいあって、一括で連絡ができないし毎日各所に頭を下げ続けるのも疲れる。
 挙句の果てにはわたしが体調を崩して、「すみません、父の件は決着ついたんですが自分の体調が……」ともなかなか言えず、少しだけ無理してやってみるなどしました。無理はよくないね! 更にへろへろになった。
 先方が気を使ってくれたのか、締め切りの日程になっても特に連絡をくれなくなるなどして、「これは呆れられて契約を切られたんじゃ……」と戦々恐々ともしました。
 こんな風に様々な事情で仕事の量が減ってしまって、こちとら出来高制なわけで、著しく収入が減ったし新規案件も断らざるを得なくなった。
 その上、「俺がこんなにつらいのにお前たちは何も助けてくれない」とか顔を合わせるたびに父は言うし、ずっと死ぬとか殺されるとか自殺するとか言ってるし、息子に向かって卑屈にすがるし悪意を持って睨まれるし、家で仕事中に病院から「お父さんが暴れて寝てくれないので寝るまで付き添いしてください」とか夜中に電話かかってくるし、手を変え品を変え精神攻撃を受けてかなり散々。
 
 そんな父は先週火曜に退院、施設に入所して、家族は一旦落ち着きました。
 横浜のとある介護老人保健施設に入所。緑が多くて建物内もキレイで海も見えて、入所者も職員もいい人ばかりで、「ちょっとしたホテルよりいいとこじゃないかこれは……!」って驚くぐらいの場所でした。
 しかし父は「俺はこんなところじゃなくて家に帰りたい」「俺を捨てるのか」と言い続けている。
 それを聞いて胸に湧き上がる暗澹たる気持ちを脇に置きつつ、残った仕事を先週いっぱい、慌てて片付けて。
 作りかけのTRPGシナリオを仕事明けに反日突貫で完成させて、土曜にGMをやって、その後一日半ぶっ倒れて今ようやく復帰。
 この日記を書いています。
 
 父は夜中になると寂しくなって騒ぎ出して、言うことは聞かないわ大声を上げるわ徘徊するわ暴力をふるうわで、かなり面倒なことになっているようです。
 今まではそういうのなかったんだけど、今回の入院からの一ヶ月の間に、かなりひどくなったみたい。妄想とか幻覚もあるようで。
 本日、施設の介護士から電話がかかってきて、「そういうわけで、落ち着くための薬を飲ませてもいいでしょうか。ふらついて倒れられたりするかもしれないのですが……」という相談をされました。暴れる件について頭を下げつつ、薬の件は勿論OK。
 それぐらいのリスクは我々は承知済みなので問題無いです。父自身はわかっていないみたいなんですが。
 んー。お世話になってる人たちに迷惑かけないでほしいなあ。困っちゃうね、どうにも。
 
 また、入所した施設はリハビリ施設なので、入所期間は3ヶ月の期限付き。9月には別の施設に移るか、実家に戻ってこないといけない。
 別の施設は入れるかどうかの申請と、お金が2〜3倍かかるという大きなハードルがありまして。
 家に帰ってくるようなら、誰かがつきっきりで相手しないといけなくなる。つまりは母か、わたしだ。
 そもそもあまり施設で問題を起こしていると、「うちで見れるレベルじゃないので別の施設に移っていただくことを検討してください」とかに話が展開していく可能性もある。
 実際、入院していたかかりつけの病院では「夜は我々では手に負えないので家族の方が付き添ってください」って言われたし、今入ってる施設でも「うちで預かるには相当難しい容態の方だとは思います」とも言われてる。
 
 休職の間のブランクも抜け、ようやく少しずつ仕事が回るようになり、「一人で行きていけるぐらいには稼げるかなあ」ってなった矢先に、完全なるそびえ建つ老害としてわたしの前に君臨した父……!
 困りつつも、仕事と身体の立て直しに入ろうというところであります。