落ち着ける場所

眠ることが怖くって
目が覚めるとまた繰り返してしまいそうだから
ため息をつきながら起きている
また今日も頭がおかしくなる時刻


落ち着ける場所の夢を見る
君が笑って僕が笑う部屋や
どこかから帰る電車の座席や
お茶とゲームの窓辺や
ねこの毛に顔をうずめた匂いや
もうそれはなくなった場所
だから夢でしか帰れない


今度はどこで落ち着こう
ため息をついて一日が終わる
今度は落ち着けるだろうか
出来ることは頭がおかしくなることぐらい


睡眠薬を飲む
夢を見ない眠りにつくために
アレルギー薬を飲む
この無意味なむずがゆさを止めるために
頭痛薬を飲む
頭と胸の痛みを止めるために
横になって薬が効くのを待っている
ため息が漏れる


この侘しさの涙を
止めるには何の薬を飲めばいい
涙は頬を伝い
夢も消えずむずがゆさも残り胸は痛むばかり
なんだ薬は何一つ効いてやしないじゃないか
僕はまぶたを閉じて
夢の中の落ち着ける場所へ
もうなくなってしまった場所へ