InnocentSphere extra 『4×4=0』について

 先日観劇してまいりました、InnocentSphere extra 『4×4=0』 について少し。
 わたしが遊佐邦博という友人のお芝居を見に行っているのは、基本的に遊佐邦博という役者が好きだからです。
 友達関係なのでとりあえず見に行ってるっていうだけじゃない。友達が公演やってるからただ宣伝してるってわけでもない。それが見るに足る内容なので、広めているのです。
 ただどうにもわたしは金がないし、遊佐が常に面白い舞台に立ち続けているというわけでもないので、見たい気持ち半分、友達だし行ってやるか的な気持ち半分ってところもあります。収入的にも作品的にも時期やホンによって当たり外れはあるわけです。
 これって結構シビアな関係性だとは思うんですよ。付き合いで見に行ってやってるだけの友達でなく、見切りをつけてもう観劇に来なくなった知り合いでもない。常にファンであって分析者であって理解者であって批判する人間であって、でもやっぱり友達でもあって、ずっと見続けてる。
 そんなわたしが、今回のお芝居を、見に行った上で改めて宣伝します。みんな、見に行くといいよ。ちゃんと面白い。お勧めします。


 今回のお話は四作オムニバスであり、小さなハコでのぎゅうぎゅうお芝居であり、これってこちらの劇団さんとしては珍しいことみたいです(だから公演にエクストラとついている)。
 ストーリーはどれもが生死にまつわる話で、男女の話でもあります。死んだもののことを思うもの、死に分かれた相手のことを思うもの、消されたけれど蘇るもの、殺したもの、殺されるもの、などなど。
 いずれのお話も、シチュエーションとしては既にどこかで見たもの聞いたものに似ているのですが、これらをひとひねり料理して、小劇場の中にぎゅっと押し込んだようなお話たちです。
 最後にはスッとする感動もあります。
 そして役者さんたちのお芝居が、みな見事です。目の前で行なわれる演技に心地よく浸れますよ。
 ホンがしっかり出来てるプロの仕事であり、役者が演技の機微を感じさせてくれるプロの仕事を見せてくれて、それが小さな空間で味わえるわけで、こりゃ見に行かない要素はないわけです。


 なお、突っ込んだ話の感想はネタバレを避けるために書きませんが、わたし個人は
1.登場人物全員嫌い、ダメ。
2.有無を言わさず引き込まれる。終わり方が好き。この設定でもっと長い話にも膨らませられそう。
3.オムニバスとしての両極端なアクセント要素を二つ詰め込んだ話。心が上下に。
4.短くも美しい話。
 といった感想を持ちましたよ。
 早速出だしの1話目でけつまづいてけなしてるわけですが、それ差っ引いても面白かったんだってば。
 それに、それぞれの話ごとに微妙に毛色が違うので、好かれる話とそうでない話は、かなり個人差が出そうですしね。
 気になった方は自ら出向いてその目と肌でご確認くださいませ。最終日に追加公演をやるかもしれないそうですよ。
 それと、広島や長野でもツアー公演でこのお話やるらしいよ。
 機会はまだあります。都内の方でなくともそちらに劇団が行く可能性もあるわけです。だから皆さん、見に行ってみればいいじゃない。
 今回残念ながら行けないって人も、次の機会には遊佐邦博やイノセントスフィアを追えるように、今から期待して身構えていればいいじゃない。
 ああちなみに、そうした公演情報をいち早くゲットするためには、日々このブログに日参するのがお勧めです。ついでにわたしを褒めたり持ち上げたり仕事のオファーを出したりお米食べさせたりねこをなでさせたり女の子紹介したりするのもお勧めです。


 バカなこと言ってばかりいると、本来のお勧めがうそ臭く見えるからイカンな。
 とにかく生のお芝居お勧め、どうせ見に行くなら今回の公演お勧め、あと三日しかないけど行ける奴は行っておけよ! あとかわいい女の子を(終)。