壊れそうなものばかり

 定期的にこのブログを見て、「何があったんだっけなあ」「何を記録してないんだっけ」って思い馳せるんです。
 ここしばらくも色々とあったんですが、書いている余裕があんまりない状態です。
 仕事で忙しいから? いえどちらかというと、体が弱くて寝てばかりいるから。
 デザフェス行ったり、その前後でお酒を飲んだり、10年ぶりの友人に会ってゲームしたり、お酒を飲んだり、仕事をしたり、お酒を飲んだり、していました。今もお酒を飲んでいます。
 プレイレポは近いうちに書き上げたいですね。
 
 それから、我が家が先日水漏れで面倒くさい事態になったことはこちらでも報告しましたが、そのあと折りたたみベッドが壊れてテレビが壊れて冷蔵庫が壊れて外付けHDDが壊れました。
 家の壁紙全面張替えやら下駄箱総取っ替えの住居的問題も発生&放置していまして、「その家大変なことになってるからもう出て行けばいいんじゃね」的な状況になっています。こないだ飲みに行った友達にも「一石さんの家呪われてるんじゃないですか?」って言われた。
 そして先程伯母がお亡くなりになった報告を聞いたので、割と洒落にならない感じで不幸が襲い続けています。
 えっと、次の更新はキルデスビジネスプレイレポか、新たなお仕事報告だと思うよ、乞うご期待!(精一杯の期待感を煽りEND)

 AKIBA'S TRIP2

 本日発売の『AKIBA'S TRIP2』、シナリオお手伝いさせていただきました。素敵なヒロインの分岐ルート後をいくつか担当しましたー。
 ゲーム詳細は下記URLにて!
http://akbstrip.jp/
 アキバを舞台に吸血鬼を倒すために脱がしまくって、その辺にいる人の服も脱がしまくって、警察に追いかけられたり、エウリアンに追いかけられたり、コスプレしたりメイド喫茶行ったりオタクの依頼を請け負ったりするゲームです。
 気になった方は、買って遊んでみてください。ついでに「一石楠耳という人のシナリオが面白かったです」ってメーカーさんにお伝えいただけると、わたしの生活が潤ったり、「これ一石ってやつの自演だよな」って判断されたりします。
 良ければぜひ!

 私的連絡と遊びぐらし

 先に個人的なご報告などです。
 住居問題日記、一旦下げました。
 別ブログを作成して、そちらにまとめてアップする予定。このブログの方向性や雰囲気にそぐわない感じがしたんで。
 ちなみにあの後もいろいろと面倒くさい状況になってはいます。うーん困る。おかしな対応はもうされていないので、そこは安心材料ですけどね。
 
 それともう一個、個人的な連絡。
 のらびさん、こちらの日記をご覧になっていますでしょうか?
 何度かメールしたんですけど、以下のような事情でメールが送れません。
http://ameblo.jp/gaia/entry-10068291353.html
 解決方法も試してみたんだけど、どうもダメみたい。また対処法探っときまーす。
 
 さて、個人的な連絡を終えて、改めて日記。
 昨日は演劇ユニットsmokersの公演、『スマイール』を見に行ってきました。
http://smokerscafe.jp/information/10/
 友人の役者、遊佐邦博の古巣。そこに客演で出て、シチュエーションコメディを演るって言うんで、期待して行った。
 そしたらこれが面白いんだ。本当にオススメ。どっかの適当な劇団のお芝居に3〜4000円払うなら、迷わずこれを見に行くべき。値段分、きっちり笑って泣けて感心させられる。「お芝居って面白いもんなんだな」って実感できます。
 まだ明日の千秋楽公演もまだ残ってます。チケがあるかは知らないけど。行ける人は是非!
 
 月末にお仕事を終えて、ありがたいことに次のお仕事もちゃんとあるから、今度はそれに取り掛かろうというところです。
 執筆の下準備をあれこれと整えつつ、前の仕事が明けた勢いでいくつか遊びに行くなどして、養分を摂取しています。
 その養分一発目が、物悲しくも楽しいお芝居でよかった。とても刺激になりました。
 その後飲みに行った店も美味しくてよかった。ここ。http://ban-kan-wine.jp/
 箱ウニをいただいたんですよ……うひひ^q^
 そして明日はデザフェスに行き、一日見て回ってとべないぼうしと飲みに行ってくる予定。
 それで酔いつぶれなければ、明後日も文学フリマゲームマーケットには行きたいなと。そしてお酒を飲みたいなと。今お酒を飲みながら、そんなことを書いている次第です。
 あと来週はお仕事の大事な告知があると思うので、皆さんご期待してお待ちください。そして出来れば、買って遊んでやってください。

 第十五回TORGオンリーコンプレイレポ

 TORGオンリーコンに参加してきました。http://www.venus.dti.ne.jp/~hibiki/torg_conv/
 すげえ楽しかった。盛りだくさんの一日でした。
 セッションレポ的なものを書いておきます。
 
●GM紹介〜卓分け
 まずは開会の挨拶。続いて、各GMによる卓紹介にうつる。
 今回立った卓はだいたいこんな感じです。http://www.venus.dti.ne.jp/~hibiki/torg_conv/15th_intro.html
 
 金輪龍一の格好をしているGM・蘇芳さんによる、プリキュア卓の卓紹介。プリキュアBGMにあわせて予告編のナレーションを読み上げるだけで、それ以上何も説明なしで卓紹介を終える。
 「終わった!?」思わず席からツッコミを入れるわたし。
 その後に続いて出てくる進撃の巨人卓。ピクシス司令のコスプレで登場する坊主頭の小笠原GM「ちゅうもおおおおおく!!!」脳内でリンホラが流れてきたぞ。
http://sngk.net/5Diobe/img1
 そしてピクシスGMも、壁の前のピクシス演説を諳んじるだけで、それ以上何の説明もなしで卓紹介を終える。
 「また終わった!??」二回目のツッコミを入れるわたし。
 「えっと、この二人の次に卓紹介するの、やりにくいんですけど……あの……」戸惑う残りのGM陣。いやその、ネタ卓はプリキュア卓と進撃卓だけだったと思います。みんなTORGは普通のゲームだよ本当だよ。なにもこわくないよ。
 
 自分は友人のありまさんGMの卓を、第一希望として提出。
 友人なんでプライベートセッションで同じシナリオを遊べる機会もあると思うんだけど、って去年はそう思って希望から外したのに、この一年結局そのシナリオ遊んでないんですよ!
 ということで、やりたい時に指名はしたほうがいい。この第一希望がそのまま通って、この日はありまさんの卓で遊ぶ流れになりました。
 
●キャラ選び
 卓につきまして、各自自己紹介やら、昼食、TORGの世界観の説明(これがこのゲームでは重要かつ時間がかかる)を経て、キャラクターテンプレートを選びます。
 ほとんどのデータはGMのありまさんが既に埋めてくれているので、テンプレートを選んでキャラのパーソナルデータ(名前・年齢・性別とか)を埋めれば、すぐにスタートできるようになっています。
 そこで話題にのぼる、リビングランドのスタレンジャー。
 
「スタレンジャーとは、原始世界になったアメリカに住んでいる知的生物です。人間サイズの巨大なヒトデで、空気管からエアーを吹き出して空を飛び、触手を伸ばし、保護色で色を変えて身を隠せます」
「……なんだこいつは……????」
 様々なテンプレートを手にとって、あれにしようかこれにしようかと思い悩むプレイヤー陣。そんな皆さんが一度は手に取るスタレンジャー。
 この卓でのまともなTORG経験者はわたしだけなので、持てるTORG知識を駆使して、GMの補佐に回りました。
「スタレンジャーはなぜか女性に大人気なんですよ。過去に自分のプレイで、スタレンジャーを遊ぶ女性を3人は見たことがあります」
「そうなの!?」
 ホラ、ちゃんと経験者ならではの補佐ができてるでしょう。えらいなー。
 
「じゃあ……スタレンジャーは女性がやります?」
「今日はやめておきます。でもスタレンジャーはかわいいと思います」
 ぷうぷう空気を吐きながら空を飛ぶ人間大のヒトデがかわいいと思うか、みんな? うん、かわいいよね。
 なおこの際、「なぜスタレンジャーが女性に人気があるのか」についてありまさんが放った「星の形をしてるからじゃないかな」がクリティカルにわたしのツボにはまり、久々に顎の筋肉がおかしくなるぐらい笑った。「星の形wwwwwwwwwwwwwwwじゃないかなwwwwwてきとうwwwwww」って。
 このような経緯を経て集まったストームナイトは、この5人だ!
 
<ヴィクトリア・シャーリー>
 ゴシックホラー世界・オーロシュのテンプレート、『悩める吸血鬼』。
 見た目は20代のヴィクトリア人らしい高貴な面持ちの女性だが、実際は百歳を超えている。
 
<アルーシュ>
 サイバーパンク魔女狩り世界・サイバー教皇領のテンプレート、『ストリート・パンク』。
 いわゆるモヒカン。火炎放射器で汚物を消毒して、種もみを奪って、ヒャッハーと叫ぶ仕事に就いておられる。
 
<クリストファー・ヴァレンタイン>
 ファンタジー世界・アイルのテンプレート、『聖騎士』。
 正しいことを正しく行う、美しくも若き青年。シャーリーとは知人同士。
 
<ヴェール>
 原始世界・リビングランドのテンプレート、『スタレンジャー』。
 結局選ばれることになったスタレンジャー。選んだのは今回は残念ながら(残念ながら?)男性でした。
「スタレンジャー気になるんだけど……でも俺、初めて遊ぶTORGがこれでいいのかな……今後やる機会があるのかも謎だしな……」
「確かに……その気持ちはよくわかりますね……」
「ええい、でもこんなに気になってるなら、これを選ぶべきだろう! 今日の俺はヒトデになる」
 そんなスタレンジャー。他のPCのパーソナルデータ欄には年齢とか性別とか髪の色とか書いてあるんだけど、一人だけ「オトナ、たぶんオス、体色は普段は緑色(警戒すると色が変わる)」とか書いてあって相変わらずのカオスっぷりだ。
 
<ワン・オー・スマート>
 アメコミ世界・ナイル帝国のテンプレート、『正義の味方』。
 わたしのPCです。緊張しいでミーハーで、メガネに白衣、体はスマートだけれど行動はスマートに出来ない、医学生志望の青年。胸には謎の数字盤があり、数字の10を指している。
 テンパると「落ち着け……スマートになれ……二進法で数字を数えるんだ……。00110100101001」ってブツブツ言う設定を家についてから思いついたけどそういうキャラではなかった。
 なおこのキャラは、わたし自身が大変に気に入ったので、今回のレポでは若干描写が多めです。自己キャラ愛にまみれたレポをお楽しみください、もしくは憤慨してモニターにワンパンかましてください。
 
●シナリオ序盤
 オリエント急行で美女が悪漢に追われ、各自様々な事情でそこに乗り合わせたPCが、事件に関わるというホットスタート。シナリオのネタバレを避ける形で各自の活躍を振り返りましょう。
 
スマート「僕はですね、『その女性から手を離すんだ!』って話に割り込む練習を、座席の後ろでしています! 一番いいタイミングで割り込む練習です!」
クリス「ではわたしは正面から堂々と登場して、女性を助けに行こう。『やめたまえ!』」
シャーリー「こちらも同じ車両に音もなく登場。知り合いであるクリスを見つけ、アイコンタクトを取ります」
スマート「や、やべえ……完全にタイミングを逃した……しかも二人とも超かっけえ……って感心しながら一旦席につきます」
ヴェール「そこには保護色で隠れたわたしがいます。乗っからないでよぷー」
スマート「ひい!? なんかここの空間が星の形にぐんにょりする?」
アルーシュ「じゃあそのオリエント急行に並走する形で、別の列車に乗りながら『ヒャッハー!』って言って登場するぜ! 汚物は消毒だ〜!!」
全員(どう見ても敵の援軍だよなこの人……)
 
 そして戦闘。調度良くヒーロー側に『疾風』が出て二回行動になったので、これ幸いと「僕が行きます!」とスマートからの攻撃。
 一発目のへなちょこパンチが外れ、「このままでは僕はヒーローにはなれない……力が欲しい!」と願いを込めてのコミックパワー発動。体が見る見る三倍のサイズに膨れ上がり、車両の天井をメキッとぶっ壊すほどに。
 白衣を模したヒーロー・スーツと、巨大化による耐久力アップで、防御力は21点に上昇。胸の数字盤の数字も21に上昇。こうしてワン・オー・スマートは、もうひとつの姿ビッグ21(トゥー・ワン)へと変わるのだ! 変身後だということを表すために、そっとメガネを外すわたし。
「大きくなると、メガネがなくなる以外は外見に特に変化ないんですか?」
「あんまりないですね。ジャガーノートに激似になりますけど」
http://cdn19.atwikiimg.com/marvel_comics/?cmd=upload&act=open&page=Characters%20J&file=Juggernaut.jpg
「悪漢じゃねーか!」
「ボヘハハハハハ!! ひよっこども! このビッグ21を止められると思うか!? と言いつつ、武器を入れている背中のズタ袋を振りかぶります。ていうか実はこのズタ袋が武器です。これブラック・ジャックなんですよ」
 ちなみにこの能力は、エジプトはカイロの違法賭博で負けて人体実験をされたおかげで得た能力で、たぶんその時やってた賭博もブラックジャックだ。医学生志望っていう設定もつまりはそういうことだ。全ては21に集約されるのだ、すごいぞビッグ21!
 
 まあ戯言はいいとして、わたしがやりたかったことはこれでもう大体やれたんで(早いな)、ワン・ツーパンチならぬトゥー・ワンパンチで雑魚を一掃してスッキリ。
 敵の親玉には聖騎士クリスが切りつけて、ダイス目が周りに回って、危うく超有名NPCが一撃で真っ二つになるところでした。そのままクリスはヒロインを救い出し、えっと、空中を移動するために、なんかよくわからないけど空から垂れてくる触手を握って飛んでた。
 キラキラする聖騎士のお陰で触手もキラキラしてたけど、なんだろうあれはお星様かな? 形的に?
 それ以外にも敵の空挺部隊とかもいたんだけど、アルーシュの「ヒャッハー!」威嚇でだいたい沈黙。
 シャーリーは敵の親玉にとどめを刺しに近寄ったものの、クリスに切られて血まみれの敵を見て「血を吸いたい……でも吸ってはいけないの……」という葛藤にとらわれて大変なことに。偶然が集めた最強のストームナイトたち、だが彼らの最強の敵は自分自身だったのだ(それっぽいシメ)。
 
 なおこの時点でサイドストーリーカードは、聖騎士クリスにロマンスが。ヒロインを救う行動も取った上に、正しさと美しさを兼ね備えた聖騎士の青年。もう完全にPC1の流れですよこれは。
 それと、どうやって仲間として合流するべきかが難しかった、「ヒャッハー汚物は消毒だー」でご登場したアルーシュ。彼は人物誤認のサイドストーリーカードを出しています。
 これによりモブの警備員などは「この人はあの有名なストームナイトの……け、敬礼だ!」となり、なんだかわからないけど誰か高名なストームナイトと間違えているので、何やっても割りとOK、ということに。
 わたしもそれに乗っかって、「もしかしてトルウィン・タンクレッドさんじゃないすか? すげえ、サインください!」って言って、最後までそれを信じてた。
 トルウィン・タンクレッド本人を知っている、クリスとシャーリーは冷ややかな目線。
 スタレンジャーのヴェールは保護色でいつの間にか我らにくっついて移動してた。
 
●シナリオ中盤
 ヒロインから事情を聞きつつ、徐々に地球に迫る危機。さあストームナイトはどうするんだ、と言った状況。
 わたしは一応チーム内の頭脳担当のつもりでキャラを作ったので、「スーツ姿に変身することでわたしは知力を上げることができるので、その天才的頭脳で今目の前にあるこの謎を解いてみよう! 巨大化は必要ないから、スーツ姿になるだけね」
「わかりました、じゃあ手がかり分析の技能で判定してみてください」
「手がかり分析技能なら持ってる。でもこれ知力ベースじゃなくて知覚ベースの技能だから、変身した意味がなかった!?」
 だが振ったダイスの目が、20で振り足し、20で振り足し、20で振り足し、最後に9。ただのダイス目だけで69。
「なんて言う無駄なダイスm……いや、こうなることを見越して僕は変身したわけですよ! スマートでしょう」
「うっそでー」
 あとはストリート・パンクがググったりした。スタレンジャーも言いたいことがあったんだけど、喋れないのでうまく伝えられず、パンクが持ってるキーボードを指さして、こっくりさん形式で意思疎通してた。触るとリンクが切れるかもしれないので指さすだけ。指っていうか触手。
 文明の利器すげえ! そういう使い方するものじゃねえから、それ!
 
 聖騎士クリスは、何かを悩み続けるヒロインの心を解きほぐすため、ロマンスカードの効果と名誉の力も借りつつ、彼女と一対一で対話を行う。
 PC1ポジションが苦手と言いつつ、スラスラと相手を安心させる言葉を発し、それでもダメならドンと突き放す。すげえ。素晴らしい聖騎士様プレイだ。
 いやーメインポジションを他人に任せて自分が好き勝手できると楽だなー。
(何のサイドストーリーも引いていないので余裕ッ面でニヤニヤ眺めるわたし)
 
 ところでこの対話、一対一だと言ったがあれは嘘だ。
 実はこの部屋には保護色で隠れた巨大なヒトデと、霧になって部屋を漂っている吸血鬼と、ドアの向こうには猜疑心にまみれた目で中の様子をうかがっているモヒカンがいるぞ!
 「この絵の中に隠れている動物たちを見つけてみよう!」みたいな状況だ。見つかる動物にろくなのがいないけど。
 
 だがこの隠れ身が功を奏した。クリスが去り、部屋に一人残されたヒロインのもとに、迫り来る敵の姿。
 出て行くタイミングを失ったヒトデと吸血鬼は、まだ部屋の中にいたのだ……今彼女の危機を救えるのは君たちだけだ!
 どうするべきか考えに考えたスタレンジャーのヴェールは、保護色のままヒロインに覆いかぶさって、彼女の姿を見えなくさせることに決める。
「とはいえ、見えない存在に急に捕まえられたら、彼女は悲鳴をあげますよね」
「じゃあ触手で口をふさごう」
「なんだか陵辱ものっぽいな」
「そろそろ敵が部屋にやってきますよ」
「彼女を捕まえたまま、空を飛んで一緒に逃げますぷー」
「これ完全にアブダクションじゃねえか」
「キャトる? ヒロインがキャトられちゃう? 内臓のなくなったヒロインが発見されるオチ?」
「これ、ヴェール一人でどうにかなりそうだから、わたしがやることは無いようですね」
「あっ、じゃあシャーリーは窓開けてくれる? 窓閉まってるとガラスが割れて、逃げるときに音がしちゃうから」
「わかったわ(ガラッ)」
「逃げろぷしゅー」
「ヒロインがアブダクられたぞ!」
 ヒロインを窮地から救いつつ、「アブダクる」という謎の動詞を生み出し、ヴェールは夜の空へと消えた。
 
 この後、霧となって敵についていき、敵陣営の情報を集めてきたシャーリー。
 持ち前の美貌や吸血鬼の魅了能力や、夜の力によるパワーアップなどを全て上乗せして、敵の渉外をやり込める作戦を講じるもダイス目1。使った力全部が矛盾してる、これはリンク切れを免れない! どうしよう!
「仕方ないからアブダクる?」
「アブダクりましょうか」
 闇夜の巨大ヒトデにさらわれて、空に消えていく犠牲者二人目。アブダクられた。
 「あの星形って、実はエルダーサインかなんかなんじゃねえの」と言われつつ。
 捕まえた敵の渉外は、アルーシュのお得意の威嚇で「その種もみをよこせー!」と尋問をかまし、重要な情報もあっさりゲット。謎の生物にアブダクられた先にはモヒカンが待ち構えてるとかどんな悪夢だ。
 笑いすぎて疲れたので休憩を取り、最終幕へと進みます。
 
●シナリオ終盤
 ラストの敵地突入直前。未だ迷いを抱えるヒロインに対し、「大丈夫だよ、僕らには聖騎士のクリスも、あのトルウィン・タンクレッドだってついてるんだから! まあでも、もしそれでも不安だって言うんなら……僕で良ければ相談に乗るよ。弱さを抱える気持ち、僕はわかるんで……」ってセリフをかました、わたしのPCワン・オー・スマート。
 そこでちょうど幕が変わるからってことでカードを一枚引いたら、なんと! クリスが持ってる方じゃない、もう一枚のロマンスカードを引き当ててしまった。
 ということでヒロインに横恋慕。「彼女、素敵だな……でも僕さっき、クリスとの恋を後押ししちゃったよな……」とか言いながら。
 決戦の準備は万端、ただしチーム内には三角関係が残りますね。なんて形で決戦場へご到着。
 
 戦闘開始。悪漢が先行ではあるけれど、こちらには『活力』が出ている。推奨行動も任意。かなり有利なアドバンテージを引いたぞこれは。しかもヴェールがイニシアチブ掌握のカードを引いたばかりなので、PC側は超有利。
 とはいえ敵方の先制攻撃はなかなかに苛烈なもので、みんな結構とんでもないダメージを負ったんだけど、そこはそれわたしは防御力21ですから。ビッグ21には銃弾も剣撃も効かないのだ。普通のPCなら瀕死級のダメージを受けたけどショックダメージ2点で済んだのだ。
 えっこんなでかいダメージで最終的にショックダメージ2点? 何だこいつ馬鹿みたいなデータだな……(今更気づいた)。
 番手が回ってヒーローの行動。カード的にも経験者的にもやるべきことはもうこれ一つだなとわかっていたわたしは、ここで早速見せ場宣言。手持ちのカードをばばんと場に出して一斉に使用。
 巨大化して敵をぶん殴って、ついでに威圧とマッドサイエンスもかましてやった。
 その活躍の様子は声付きで一覧にするとこう。http://www.ahvb144.sakura.ne.jp/jug.htm
 
 「自分は見せ場宣言をやってしまったけれど、皆さんもカードの状況によっては同じように見せ場宣言をして、一気に勝負を決めるのもいいかもしれないですよ」って言おうと思ったら、今の推奨行動で奮起カードを引いてきた。
「あっ、これはもうみんなとりあえず見せ場宣言しちゃってカード無くしてもいいかも」
 おかげで次々に発生する見せ場宣言。敵陣営はタコ殴りだ!
 
 アルーシュはお得意の威嚇でプレイヤーズコールをかまし、シナリオ終了のためのキー行動を成功させた上に、「ではこの装置の犠牲になっていた連中を助け出そう。やれやれ、俺の仕事はホントはこれだったんだよ」と言って、個人的利害のサイドストーリーカードを見せるプレイング。
 「すげえ! かっけえ!」経験者として素直に感心しました。このプレイヤーさんTORG初めてなんだっけ? だとしたら見事な順応だなあ。
 一方その頃、敵ボスその1として登場した某悪漢は、専門用語でいうところの「アブダクる」を食らっていました。
 キラキラ光る星のヴェールから解き放たれた頃には、本性が悪から善に反転していました。2Pカラーの青い服になってた。
「そのもの蒼き衣を纏いて、金色の野に降り立つべし……」
「これ虫じゃなくてヒトデだけどね」
 
 搦め手組はこんな感じで行動を終わらせ(搦め手とは触手のことではないのであしからず)、ヴィクトリア・シャーリーの番。
 実は彼女は拳銃を持っているんだけど、「吸血鬼だから素手で殴ったほうが強いのかしら」「おう、ビッグ21も実は銃を持っているが、素手で殴ったほうが強いぞ!」ということで拳(ケン)は銃よりも強しだを行動で示す複数回攻撃。
 敵の精鋭部隊の首が全て吹っ飛び、シャーリーの周囲に血溜まりが出来上がったのだった。
 彼女の後ろで堕落の力的なスカウトマンが「君、いい腕してるね。こっちに来ない?」って誘いをかけているので、あの誘惑には全力で我慢してもらおう。新たなラスボスが生まれてしまう。もしくは別のゲームが始まる。http://p.twpl.jp/show/orig/Wf9MC
 残ったのは、精鋭部隊を率いていた敵ボスその2、サムライソルジャー。クリスと丁々発止で切り結ぶ。この対決の直前にようやく引くことの出来た、このセッション初の偉業カードをプレイするために、クリスには無数のドラマカードやヒーローカードが集まる。
 カードとポシビリティでサイコロを振り足し振り足し、最初の三回ぐらいまでは全部一桁の数字しか出ないもんだから「まさか偉業達成ならずか……?」と一瞬恐れたものの、結果的には60オーバー。
 無事に偉業を達成し、ボス剣士は真っ二つ。聖騎士クリスの美しい勝利は人々の心に希望を与え、ヒロインも自分のやるべきことを決意するに至り、地球は最大の危機を乗り越えることが出来たのでした。
 
 エンディングではビッグ21ことワン・オー・スマートは、「やっぱり僕なんかじゃ、偉業を起こせる聖騎士様には叶わないや」って卑屈に一人その場を去り、ヒロインはスマートを探すも見つけられず、そこに現れたクリスが彼女を支えるという展開。
 ともに美しい夜空を見上げると、そこにはひときわ輝く一つの星が……若干触手が生えてる感じのやつ……あれってもしかしてまた何かをアブダクってらっしゃいます?
 とキレイにオチもつき、『地球の長い午後〜Updated "夜明け前"〜』は終了いたしました。皆さんお疲れ様でした。
 
●セッション終了
 そんなわけでセッションも終わり、感想戦を軽くやって酒飲んで帰宅。
 非常にTORGらしいセッション&良いお酒にも恵まれ、非常にいい日でした。
 みんなも参加するといい。そしてわたしと遊んだり酒を飲んだりするといいと思います。
 多分来年もやると思うので、その際は皆さんどうぞふるってご参加ください。TORG知らないって人にも丁寧な説明がついてくるし、初プレイの人でもこのセッションのメンツたちぐらいに大暴れは出来ます。とっくに絶版したゲームだってのに、楽しいよ、これ。

 忙しいふりをするのも楽じゃないぜ

 住居トラブルの話を書くようになって、アクセス数が何倍かに跳ね上がった、ここ何日か。
 ウェブ拍手も久しぶりに機能するようになり、ほとんど設置してあるだけだった拍手ボタンが、わずかながら役に立つことが出来ました。
 でもこれ多分、自分の話を読んだ人が「辛いでしょうけどがんばって! 応援してますよ!」みたいな思いで拍手ボタンを押してくれたんだろうに、その御礼として表示されるのがわたしの詩なんですよね。
 励ましのお礼としてよくわからない言葉の羅列が出てきて、「なんだよこれは……」ってなっているかと思うと、それはそれで申し訳ない気持ちでいっぱいです。もしくは詩がどこかのツボに刺さって、その人の心がざわめいてしまうとか。いずれにしろ色々と予定外。
 
 というかアレですよね。なんだか辛い話ばかりが続いて申し訳ない。もう少し楽しい話をブログに書いておきたいものです。
 でもあんまり楽しいことないんだよなあ。辛さがピークだった時に「ここにいても辛いだけで仕事も進まないし少し出かけよう……近所のスーパーに行くだけでもいいんだ」って出かけて、だけど食欲が全く無くてむしろ吐き気がして、「どこかに黒スト美脚の女の子でもいれば元気になるかと思って出かけたけど、ちっとも元気になりゃしねーな。ああ気持ち悪いな倒れそうだな……」って胸押さえながら歩いてたら前から理想的な黒スト美脚の女の子が歩いてきて、それで本当に元気になってメシが食えた話でもします? この話もうこれで終わりですけど。
 まさか実際にあんなに理想的な黒スト美脚にその辺で出会えるとは思わなくてびっくりしたし、それで律儀に元気になる自分にもびっくりした。
 まさにこれこそ脚運がいいということ。美脚の女子を街で見かけることを「脚運(きゃくうん)がいい」って呼ぶことにしたって話をします? 「きゃくうん」で変換するように辞書登録までしてるんですよ。
 ああいいですか、その話は。じゃあ特に話すこともないんで仕事に戻ります。はい。

 シノビガミシナリオ『十二人の怒れる忍』簡易レポ

 以前に予告(http://d.hatena.ne.jp/isikusu/20130913/1379079458)を載せましたシナリオを、先週末に遊んできました。
 簡単にプレイレポを載せておきます。ネタバレはなし。
 
 なおこちらのシナリオ、再度プレイする可能性があります。「参加してみたい」と言う方は挙手をお願いします。有志が5人以上集まれば、場所と時間を確保しますね。
 そして以下のプレイレポにて、シナリオ冒頭部での一番のサプライズが公開されています。
 一度セッションした感覚として、「このサプライズは事前に公開した方がいい」と判断しての公開です。
 もし二回目のプレイに参加したいプレイヤーがいた場合、この情報を知った上で参加することを推奨しますが、「一回目のプレイヤーと同じ感覚で遊びたい!」と言うのであれば、読まなくてもいいと思います。
 いやでも、読んだ上で参加した方がいいよ。よく見知ったサークル仲間に対してだから、こういうことが出来たんだからな!
 ということで、まずは皆さんに作っていただいた、PCと相棒の紹介から。
 
<PC&相棒紹介>
●斜歯忍軍
桐野しづる(きりの・─) 19歳 女性 斜歯忍軍
表の顔:大学生 信念:我
忍法:土竜吼、交叉、揺音、魔界工学
斜歯忍軍が作り出した強化スーツにより、忍者としての力を得た娘。
のように見えるが……?
 
・相棒
ドクター・北野(─・きたの) 20代後半 男性
相棒との関係:博士と助手
次期斜歯四天脳候補の、マッドサイエンティスト
 
●鞍馬神流枠
水無月迅(みなづき・じん) 55歳 男性 鞍馬神流
表の顔:執事 信念:忠
忍法:神槍、陽炎、狭霧、村雨
背景:絆、武人
鞍馬神流の名家、一宮家に仕える執事。
次期当主の許嫁を目の前で失ってしまったことに自責の念を抱え続け、お嬢様にさらなる忠誠を誓っている。
 
・相棒
一宮八千代(いちのみや・やちよ) 20歳 女性
相棒との関係:お嬢様と執事
一宮家次期当主。
 
●ハグレモノ枠
甲賀屋紅焔(こうがや・こうえん) 48歳 男性 不知火
表の顔:油屋 信念:我
忍法:百燐、彷徨、一休庵、占術
背景:隠れ家、気まぐれ(余剰功績点で忍具を取得)
ガソリンスタンドも経営する油屋の男。
彷徨を使い飄々と、あちらこちらに立ちまわる。
 
・相棒
大倉屋摩周(おおくらや・ましゅう) 64歳 男性
相棒との関係:経営者仲間
甲賀屋の友人の古物商。
 
●比良坂機関枠
前代相士郎(ぜんだい・そうしろう) 26歳 男性 公安隠密局
表の顔:公務員 信念:我
忍法:防諜、沈黙、、雀蜂、情報戦
やる気なさげな公務員。
割とドライというか、職務以上のことをしないタイプ。
 
・相棒
柚木千佳(ゆずき・ちか)  29歳 女性
相棒との関係:上司と部下
『部長』と呼ばれるメガネの上司。どこの部の『部長』なのかは明らかではない。
今回集まった十二人のうち、唯一の中忍頭。
 
●私立御斎学園枠
須夜摩焔(しゅやま・ほむら) 10代後半 女性 私立多羅尾女学院
表の顔:高校生 信念:律
忍法:誘導、御斎魂、戦場の極意、紅葉
多羅尾女学院にあるという、歌劇団の男役を務める長身の美女。
いわゆる男装の麗人
 
・相棒
夢咲かれん(ゆめさき・─) 10代前半 女性
相棒との関係:多羅尾歌劇団の同期
歌劇団の娘役。
 
●隠忍の血統枠
来迎時蓮花(らいこうじ・れんか) 外見20代前半(300歳程度) 隠忍の血統
表の顔:演奏者 信念:情
忍法:頑健、かばう、再生、魔界転生
若干ヤンデレ要素のかいま見える、演奏家の女性。
シノビガミ初体験のため、一人で立ちまわるのは難しいと判断。他人と関わり、仲良く接する。
 
・メリー 外見20代前半(300歳程度) 女性
相棒との関係:長年連れ添う仲間
蓮花と旅をしていた少女。
 
 彼ら十二人の忍が揃ったところで、セッションは開始される。
 比良坂機関の呼びかけで集まった十二人。だがいつの間にか、彼らは閉じ込められていて……。
 
<導入フェイズ>
 気づくとあなた達は、円形すり鉢状の議場にいる。
 天井にはステンドグラスが張られている。ステンドグラスは蝶や地虫や蟷螂をモチーフにしたデザインで、いびつな光を議場内に届かせている。
 議場の中心には、儀式を執り行うための古びた社が存在する。またその社の傍らには、忍者絡繰を施された戦車が一台、鎮座している。
 
 そして議場の各卓にてんでバラバラに座っているあなたたち。
 あなたの隣で、あなたの相棒は、死んでいる。
 
 絡繰戦車が宙空に老婆の映像を投影し、その老婆がつぶやく。
「問おう。有罪か、無罪か」
 
GM:というわけで、あなたたちの相棒は、全員死んでいます。
プレイヤー1:えっ。
プレイヤー2:は?
プレイヤー3:ははははははは!
GM:ごめんなさい! せっかく作った相棒の設定ですが、全員、あなたの隣で、死んでいます!
プレイヤーたち:あはははは! あはははははははは!!
GM:そして老婆の映像の言う通りに、あなたたちにはこれから、『有罪』か『無罪』かを決めていただきます。
プレイヤー4:えっ、いや……え?
プレイヤー5:意味分かんないんだけど。
プレイヤー6:有罪か無罪か決めるって、どうするの?
GM:それを今から、説明いたします! 皆さんにはこれからですね……。
 
 そんなところから始まるシナリオ、『十二人の怒れる忍』。
 リミットは3サイクル。ただし開始より実時間にして六時間後に、強制的にシナリオはクライマックスフェイズに突入し、その戦いを元にエンディングを迎える!
 いやー相棒六人分の設定を完璧に覚えて立ちまわるの大変だからね、最初に死んでもらっちゃったんだ! えっへへ!
 
(とか言いつつ割としっかり設定は読み込んで押さえてからセッションに臨んだ)
(せめてもの供養ゆえ。供養ゆえ)
 
 実を言えばこのシナリオ、「うちのサークルだとみんなにハンドアウトを事前にメールで配ってるから、【秘密】を知った時のびっくりする顔が見れなくて残念だな。よし、とんでもないサプライズをやってみよう!」という思いのもとに作られたのかどうだか、はてさてどうなんでしょうね?(結論がうろうろ)
 まあね、重い設定を抱えた状態でプレイして欲しかったんですよ。忍者としての矜持を新たにするような、ヘビーなやつをね。
 
 「プレイヤーが作ったキャラをGMの都合で勝手に殺す」というのは、GMのやっちゃいけないこととして教科書の1ページ目に書いてあるようなことだけど、今回あえてやらせてもらいました。みんなには大いに謝っておきました。
 あとプレイ中に「このキャラがこのまま死んだら俺はGMを許さんぞ」って言われたんだけど、それに対しては「言っておくがお前らの相棒、全員五体満足で生きて戻ってくるような、甘い憶測をするんじゃないぞ?」とほくそ笑んでおきました。反省してない。ダメなGMです。
 
 その後の展開としては、盛り上がったり盛り下がったりを繰り返しまして。
 まずは最初の自己紹介タイム、死んだ相棒を共に紹介してもらうことにしたら、何故か各自の「ぼくのかんがえた相棒の死因」発表会になってしまったとか。
 「俺の勝負どころはここだと思う。ちょっと相談させてくれ」と何度もGMが呼ばれた、2サイクル目の策謀。
 【秘密】を知った上で「それでいいのか? どうなるかわかんないんだぞ?」「いいや、ここでやる!」と行動し、GMや一部のものを「お前すげえな」と呆れさせたプレイヤー。
 超絶無茶ぶりな【使命】を抱えて、その上やたら運がなくて、すれ違いを繰り返す二人。
 最初の自己紹介で「こんなところにいられるか! 俺は一人ででもここを出るぞ!」と言ったきり、最初の戦闘で行方不明の変調を食らって出てこなくなったハグレ枠とか。
 そして最後の最後、その場の誰もが予測していなかった方法で【使命】を達成させようと動いた、一つの機転。
 
 展開でうまくプレイヤーを楽しませられなかったところにはいくつか不満があったものの、とても面白いセッションとなりました。
 やっぱね、「その順番で【秘密】が開くかね?」みたいなのが、シノビガミGMの醍醐味ですよね。
 ということで、誰か参加したい人がいるかどうかを積極的に募って、もう一度ぐらいはこのシナリオをやってみようかなと思っているのです。出来れば年内にもう一回ぐらい。
 重たいシナリオは苦手なんだけどね。でもたまには、いいものだね。
 
 さて、このシナリオの展開や結果を元にして、新たなシナリオを作って、サークル内のプチキャンペーンにしようって言ってたんだけど。
 割と予想外の展開をしたから、どうしようかな。皆さんを苦しめたぶんは、GMも苦しむ。これがウィンウィンの関係というやつです。違う。

 シノビガミシナリオ『十二人の怒れる忍』・予告

 時を同じくして神器の欠片を入手した、六大流派の忍者たち。
 だがこの神器の欠片には、偽物が含まれているという。
 
 某年五月五日。
 比良坂機関の呼びかけにより神器の欠片は持ち寄られ、その真贋を見極めることとなった。
 儀式忍法・神器創世の法を実行し、その触媒足りえるかを見届けようというのだ。
 
 神器の欠片を持つもの、そしてその相棒。
 各流派より、十二人の忍者が集まろうとした。
 そこまでは憶えている。
 だがしかし。それでは我々十二人の居るこの議場は何なのか。
 
 此処は一体何処なのか。
 どうすれば出られるのか。
 
 自分は何をしようとしていたのか。
 相棒は何をしようとしていたのか。
 
 わけも分からぬまま、問が投げかけられる。
「問おう。有罪か、無罪か」
 
 我々は何を裁いているのか。
 
〜忍術バトルRPGシノビガミ
『十二人の怒れる忍』
 
 忍は殺す、忍は死ぬ。
 罪あるものに、罰を与えよ。
 
<最初に>
 今回のシナリオは、密室劇です。
 六大流派の十二人の忍者が一つの場所に閉じ込められたところからシナリオはスタートします。
 各流派ごとに、同じハンドアウトを持つPCと相棒が登場しますが、それぞれ【秘密】の内容は別です。
 また、各流派ごとに神器の欠片と呼ばれる特殊なプライズも登場します。これにも【秘密】が存在します。
 PCと相棒とプライズの【秘密】を合計すると、総数は十八個になります。このシナリオには、これ以上の【秘密】は登場しません。
 
ハンドアウト
●指定流派:斜歯忍軍
あなたはこうして神器の欠片が一堂に会したことについて、「何か裏があるのでは」と疑念を抱いている。また、いずれの神器の欠片が偽物なのかを突き止めたいと思っている。
あなたの【使命】は、神器の欠片を集め、研究することである。
 
●指定流派:鞍馬神流
あなたはかつて、シノビガミ顕現の大儀式魔術により、愛するものを失った。それ以来あなたは、シノビガミ復活にまつわる存在を全て封印し、平和な世界を築くことを決意した。
あなたの【使命】は、シノビガミの復活を阻止することである。
 
●指定流派:ハグレモノ
あなたは神器の欠片を所持していたために招集されたものの、神器創世の法にあまり興味はない。それよりも、この薄気味悪い議場めいた場所から、早々に脱出したいと思っている。
あなたの【使命】は、この場から逃げ出すことである。
 
●指定流派:比良坂機関
あなたは神器の欠片のどれが偽物であるかを調べるために、十二人の忍を招集した人物である。だが突然謎の場所に閉じ込められ、謎の罪を裁くという事態に陥り、自らの【秘密】を知られぬように努めねばならなくなった。
あなたの【使命】は、自分の【秘密】を知られないようにすることである。
 
●指定流派:私立御斎学園
わけも分からず閉じ込められ、様々な罪や罰を多く抱えているであろう面々を前にして、あなたはここで起きている事の経緯や真相を知りたくなった。
あなたの【使命】は、【秘密】を探り、真相を究明することである。
 
●指定流派:隠忍の血統
あなたはかつて、シノビガミ顕現の大儀式魔術により、愛するものを失った。だがあなたは自分の流派の流儀に則り、それでも今なお、シノビガミ復活の方法を探っている。
あなたの【使命】は、シノビガミ復活に関する情報を入手することである。
 
<プライズ>
◎斜歯忍軍のプライズ
★神鏡(みかがみ)の欠片
未来予知の力を持つ万華鏡。
このプライズの所有者は、暗号術の判定に成功すると、あなたの【使命】達成に最も重要な神器の欠片を知ることが出来る。
この判定は補助判定である。
 
◎鞍馬神流のプライズ
★御剣(みつるぎ)の欠片
絶対破壊の力を持つ刀剣。
このプライズの所有者は、【範囲攻撃】の奥義を使用可能となる。
指定特技は、最初の使用の際に所有者が自由に決定して良い。
 
◎ハグレモノのプライズ
★邪刀(やつるぎ)の欠片
過去改変の力を持つ時計。
このプライズの所有者は、【魔界転生】の忍法を使用可能となる。
 
◎比良坂機関のプライズ
★逆神(さかがみ)の欠片
人心操作の力を持つ和琴。
このプライズの所有者は、【酔夢】の忍法を使用可能となる。
 
◎私立御斎学園のプライズ
★巫珠(みたま)の欠片
天運招来の力を持つ護符。
このプライズの所有者は、その幸運がためにあらゆるダメージを受けない。
 
◎隠忍の血統のプライズ
★禍魂(まがたま)の欠片
死者蘇生の力を持つ眼球。
神器の欠片としての力は特に持ち合わせていないようだ。
 
<指定流派と相棒について>
・PCはハンドアウトの指定流派か、もしくはその流派の下位流派から、自分の流派を選びます。相棒は自動的に、指定流派が所属流派になります。
 
・もし相棒を下位流派の所属にしたい場合は、GMに相談してください。
 
ハンドアウト決定後、自分のキャラクター以外に、自分の相棒の設定を作ってください。
 
・相棒の設定として、名前・年齢・性別・階級・信念・あなたのPCとの関係が必要です。これ以上の細かい設定を決めてもらっても結構です。
 
・相棒の設定について決めるのが難しいということでしたら、GMなどに任せていただいても構いません。気軽にご相談ください。
 
・相棒はあなたと同じハンドアウトの【使命】を持ちますが、【秘密】は別個に存在します。
 
・相棒は基本的にGMが操作します。
 
<プライズについて>
・プライズは戦果として選択する他、ドラマシーンで受け渡すことも可能です。
 
・プライズの【秘密】は、そのプライズの所有者であれば自由に見ることが出来ます。プライズの所有者が許可すれば、他者に見せることも可能です。
 
・所有していないプライズの【秘密】を、情報判定で調べることも可能です。
 
・プライズの【秘密】には、情報共有は発生しません。
 
・各流派の持つ神器の欠片のプライズは、最初は相棒が所有しています。
 
<レギュレーション>
・ルールは基本ルールブックを使用。
 
・このシナリオのレギュレーションは【現代編】となります。
 
・【下位流派】【背景】【従者】【特殊な戦闘乱入】のルール使用を許可します。
 
・このシナリオの登場人物は、計十二人で固定です。【従者】を使用の場合は、生物でないもの(ロボットや式神など)を設定してください。
 
・このシナリオは、【特殊型】シナリオとなります。PCの選択次第で、協力関係にも敵対関係にもなりえます。敵対構造や騙し討ちを恐れ無いプレイが推奨されますが、争っているのはあくまでPC同士ですので、プレイヤー同士が険悪にならないように留意してください。
 
 以上。
 シノビガミは変なシナリオばかりやってて、真面目に忍者同士が策を巡らせ合ったり殺しあったりするのをやったことがなかったので、やってみようかなと思って作ったのがこれ。
 うまくいったら、このシナリオの結果を元にして、続編シナリオを作ってプチキャンペーンにしようと画策しています。
 相棒6人分を無事GMが回せるのか。乞うご期待。
 各自に相棒を作らせよう→12人いるなら舞台は議場にしよう→有罪か無罪かを決めたいよな! で、気づけばダンガンロンパみたいになっちゃったけど気にしない。
 ロンパは好きなんだけどそれは違うよ!(緒方ボイス) 超高校級の御斎学園とか出てこないです。たぶん。