創作

 結婚騒ダンジョン! 〜俺と三匹の婚約者と仲間と罠と宝と転生チートと雑多なモンスターが織りなすナイトメアー・ビフォア・ブライダル〜

ノベルゲーム用に設定を考えたのが8年ぐらい前。その後、5年ぐらい前に仕事で一度書き始め、諸事情で結局ポシャってしまった作品がありまして。 表題のお話です。ファンタジー世界のダンジョンで、駆け出し冒険者の男が美女モンスター三匹のどれかと結婚させ…

 雨天結構6

「雨の中、玄関先で来客を待たせるのはどうかと思いますよ。失礼ですが上がらせていただきます」 「え」 女の子は僕の家に上がりこんだ。正確に言うなら、上がりこもうとして玄関で、なんだかすごく脱ぎにくそうなややこしい作りのロングブーツを脱ぎ始めた…

 雨天結構5

長雨のせいで外出がままならず、冷蔵庫の中身はテキーラの残りだけになっていた。 おなかがすいてタップも踏めない僕が玄関のドアを開けると、そこに立っていたのは、まるでハロウィンの仮装のように現実離れした服に身を包んだ、華奢な女の子だった。 手に…

 雨天結構4

痛いと思っていたけれど、実はカエルに噛まれた指はそんなに痛くもなかった。カエルには歯が生えていないからだ。 テキーラを飲みすぎたせいで、僕は幾分、そう言ったリアクションがサービス旺盛になっていたのかもしれない。 カエルの方は僕の痛がりぶりに…

 雨天結構3

まだあれから数日しか経っていない。雨は降っている。豪雨じゃないし、ずっと降り続いているわけでもない。たまに降って、晴れるんだ。 こういう雨は性質が悪いと思う。一抹の希望を抱くからだ。 浸水した雨を掃き出し、適当に床拭きをした結果、部屋はまた…

 雨天結構2

「穴と井戸って、そんなに違うものですか」 「そりゃ違うよ。一文字だったのが二文字になるし」 「あな。いど。同じですね」 「そりゃひらがなで考えてるからだよ。漢字で考えてみてよ」 「ああ。あーあー。あっ」 「今、“土竜”って頭に浮かんだでしょ」 「…

 雨天結構1

タップダンスを思いっきり踏んでやった。 前の家ではタップダンスを踊ると、下の階の住人が文句を言いに来て、揉めたりもしたもんだ。なので今度は一階に引っ越した。 「一階にしてください」 それだけを不動産屋に告げて今の家を探したので、まあそこそこに…